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医師の技術料があくまで低く抑えられる理由 

二つ前の板野氏の発言に関連して、今回の診療報酬改訂についての報道。

病院で、複数の科を受診したときに、二番目の受診科で再診料を半額だけ支払うことになる、と変更された。再診料の半額とは340円、その自己負担は100円である。これまでは、二番目以降の受診科は「無料」だったのだ。ようやく、二番目だけは再診料の半分を出そう、という決定だ。医師の技術料の評価がこれほど低いことに唖然とする。全く違う科にかかったら、そこでの医師の技術に対して対価を支払うのは当然のことではないか。これまで、「タダ」で対応していたのが大間違いだったのだ

医師の技術料をこれだけ低く抑え、その一方では、患者さんを「患者様」と呼べという官僚達。何たる馬鹿げた行政であることか。

こうした行政の背後に何があるか・・・一つには、医師の技術に対する侮蔑とも言うべき無理解、ないし嫌悪が、官僚の中にあるのではないだろうか。こうした意見には、当初そんなバカなという思いが強かったが、行政官たる官僚にしてみると、医師は単なる技術屋に過ぎないのだろう。ローマの時代、医師や、音楽家という専門職は、奴隷の身分にあったらしい。最高の地位についていたのは、行政官達だった。二千年前の社会と、根本的なところで変わりはないのかもしれない。

過去の日本医師会が、豊富な資金力で政治力を発揮していたことへの反感が、官僚達にあるのかもしれない。でも、日本医師会も力を失い、医師が経済的に恵まれている、という時代ではなくなった。武見太郎の時代を、武見と共に生きた官僚達もとっくに現役を退いている。でも、厚生労働省の中での権力闘争という面からは、医師への反感は根強いのだろう。

上記二点は、さほど重要ではない理由だ。もっと現実性のある理由としては、現在の官僚にとって、医療費のパイを医師・医療機関に渡してもメリットがない。医師・医療機関からパイを奪えるだけ奪い、それを他に回すことにメリットがあるのだろう。医師達からは利権を得られないが、この「他」の分野では、天下りという彼らの利権が生まれる。

医療財政の面からいくと、公的医療費をできるだけ削減することによって、混合診療に持ち込める可能性が膨らみ、その一方では、医療という金食い虫に国庫を与えなくて済むことになる。米国の忠実な僕であり、かつ公的医療費削減によって、官僚にとり旨みのある分野に予算を回すことができるようになる。また、混合診療が導入されれば、官僚にとって大きな利権が生まれるのだ。

一杯のコーヒー代以下の再診料がさらに引き下げられて、さて、医療はどのようになって行くのだろうか。再診料が低くてラッキーと言っている国民は、自分の生命の値段が低く値踏みされていることを知らないのだろうか。そして、突如、巨大保険資本の画策する混合診療が出現したら、金がなければ、まともな医療にかかれぬもう一方の対極に突き落とされることになるのを知らないのだろうか。


以下、引用~~~

再診料、重ねて支払い 紹介状ない受診は不利も 「4月からの診療・介護報酬」
12/03/26
記事:共同通信社
提供:共同通信社

 治療費支払いが4月から変わる。同じ日に同じ病院で複数の診療科を受診した場合、患者は「再診料」を重ねて支払うことになる。現在の仕組みでは例えば、高血圧で内科の診察を受けた後、同じ日に花粉症で耳鼻科を受診しても、再診料は内科の分だけ690円(一般の自己負担210円)を支払えば済む。

 これに対し、病院団体などから「二つ目以降の診療科で医師の技術が正当に評価されていない」と不満が出ていたため、二つ目の耳鼻科でも半額の再診料340円(同100円)を支払うことになった。計1030円(同310円)だ。ただ三つ目に別の診療科を受診しても請求されない。「初診料」も現在、二つ目の診療科で半額払いとなっている。

 また、高度な医療を行う大病院を「紹介状」なしで受診する際の自己負担が増える。保険から病院に支払われる初診料が引き下げられるためで、病院が現在並みの収入を得ようとして引き下げ分を患者の負担に回せば、初診料での一般の自己負担は810円から1300円になる計算だ。

 医療機関のたばこ対策も強化。小児科や生活習慣病、呼吸器疾患などの治療を担う病院は、屋内を全面禁煙にしないと収入が減る仕組みとなる。

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