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撤退も、留まるも大変 

名もなき一介の診療所を閉院するとき行うべき手続き・・・関東厚生局へ保険診療を終える届け(届と言いつつ、かなり面倒)、同じく保健所に届け、社会保険への手続き、医療保険についての手続き、各業者(半端な数ではない)への連絡(NTTは法人の印鑑証明まで要求する)、法人の決算関係・定款変更、スタッフへの退職金、先月までは、普段の仕事をしながら、これらを行い、仕事終了後も請求事務があり・・・リタイアした今も、まだすべてを終えられない。これ以外に、私の仕事を継承される医師との打ち合わせ、サポートがある。自分への退職金も考えなければ。自分の年金、医療保険も・・・。医療機関と言う社会的な存在が消えるために必要な手続きと言えばそうだが、いかにもすさまじい事務量だ

仕事と言えば仕事だが、小規模医療機関は、最後まで大変だ。

m3という医師のためのネットのサイトを見ていると。「一般名処方」という今春新たに導入された診療報酬の規則で、医療現場が右往左往させられている様子が分かる。右往左往させられているのは、大体において、中小医療機関。厚労省の薬品名マスターが不完全なためと、例外規定があることと、一般名処方をするとトンでもないゾロ品が薬局の一存で出されることと・・・。トンでもないゾロ品で何らかの重篤な副作用が起きても、医師も薬剤師も責任を負わなくて良いと厚労省は言うが、やはりまず医師に批判の矛先が向かうことだろう。厚労省がこうまで無責任なことを言ってまで、ゾロ品導入を進めたいのか、意味が分からない。大体において、こうした規則を導入するに先だって、出現しうる様々な状況を考えておくべきだったのだが、思いつきをそのまま現場に押し付けただけのようだ。医療現場も大変だ。

この一般名処方という施策は、恐らく次の診療報酬改定では、取りやめになるはず。一処方2点(20円)の加算では、とても手間に見合わないのと、何が処方されるか分からぬという不安で、医療機関側は二の足を踏むことになるのではないだろうか・・・でも今のところ、医療機関はこの制度を取り入れることに努力している様子。どうみても、官僚に踊らされているとしか見えない。傍で見ていて、哀れを催す。

撤退も大変、とどまるのも大変

コメント

おつかれさまでした

お疲れ様でした。すでに中間管理職というハンドルネームとは違って、私も開業して3年半になりました。

いまのところ、うちは一般名処方を行っておりません。電子加算とおなじで、きっといつのまにか無くなっていくことでしょう。

医療の世界もかなり世知辛い世の中になってきていますが、少なくとも借金返すまでは頑張っていきたいと思っています。

リタイアとかセミリタイアとか、大変うらやましく思えますが、どうでしょう。

今後ともよろしくお願いいたします。

勤務医 開業つれづれ日記・2
http://med2008.blog40.fc2.com/

Re: おつかれさまでした

コメントをありがとうございました。リタイアしたといっても、別なエントリーに記しました通り、閉院手続き、医療法人がらみの手続き、健康保険・年金手続き等々で忙しくしていました。でも、ようやく落ち着き始めたところです。

いつかきちんとエントリーにまとめたいと思っているのですが、宇沢弘文東大名誉教授の根本的な思想の一つである、社会的共通資本としての医療が現在毀損されつつあるように感じています。一つは、市場原理主義の横暴でしょうし、もう一つは、官僚国家による医療内容自体への統制操作なのだと思います。官僚は、自らの利権を確保するために、そうした操作を繰り返しているように思います。医療現場にいると、それを感じずにはおれませんでした。生活する分には、長いものに巻かれることが一番だったのかもしれませんが、私が少しハイパーセンシィティブなのか、もうこの辺でよかろうということでリタイアを決めました。

リタイアしての感想を記せるほど時間が経っていませんが、日中、庭仕事をしていたりすると、ふっと仕事をもっとすべきだったのではないかという、軽い罪悪感に襲われることがあります。自分の老後の経済基盤のためだけでなく、これまで医師として訓練を受けてきた、受けさせてもらってきたことへの恩義を社会に返す(というと少し大げさですが)ことが不十分だったのではないか、という思いです。とりあえずは、週一回の非常勤の仕事で、その思いを中和しているといったところでしょうか。非常勤の口をもう一つ増やそうかと思ったりもして・・・苦笑。

リタイアをいつどのようにするか、開業の場合はとくに難しい判断を迫られることになります。開業後まだ三年ですと、まだまだこれからかもしれませんが、あと数年したら、将来のことをお考えになりはじめられると良いかもしれません。私も、もう少し前から積極的に準備しておくべきだったと多少後悔の念はあります。でも、継承も順調に行きましたし、一応恵まれているということなのでしょう。

またお立ち寄りください。

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