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人生の下り坂の時を前にして 

元の仕事場の隣の産婦人科医院が、数日前ひっそりと閉院した。以前にも記したとおり、悪性腫瘍で入院治療し、4月に仕事に復帰した、同院の院長N先生が健康上の理由で仕事を続けられなくなったためらしい。どうも遠隔転移を起こし、その病状が急激に悪化したためらしい。スタッフにも説明のないほど急な出来事だったようだ。

親しくしていた院外薬局の薬剤師に、彼の奥様がやって来て、涙ながらに報告なさったようだ。彼とは、二三度救急診療所で仕事が一緒になり話をしただけで、あとは駐車場越しに目礼する程度の間柄だった。まだ開業して10年前後だったのではないだろうか。開業医として一番油の乗り切った時期に、病魔に倒れ、仕事を断念せざるをえなくなった。どのような思いでいらっしゃることかと思う。

生まれて成長し続ける時期は、急峻に伸びる。そして、仕事の訓練を受け、家庭を持ち、仕事にまい進する。そこは、たとえ谷・峠はあっても、いわば前後の時期に比べれば、なだらかな地平を歩むことに似る。だが、そのあとに、急激な下り坂がやってくることがある。幸運な人には、なだらかに下り坂を下りる道が用意されているが、そればかりではない。この急峻な下り坂に面しても臆したり、取り乱したりせずに、歩み続けることができるようでありたいものだ。そのためには、ありきたりな言葉になるが、一日一日を大切に、ひと時ひと時を愛おしむように生きることだろう。

N先生の闘病が苦痛の多いものではないように、こころの安寧が守られるようにと願うばかりだ。

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