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お茶の水管弦楽団の思い出 

私の所属した大学オケは、お茶の水管弦楽団という名称だった。そのオケが、先月19日に90回目の記念演奏会を開催した。そのサイトはこちら。マーラーの巨人他を、シビックホールで演奏したらしい。このホールも建て替えられたのだろうが、40年近く前に、私がオケに入り最初に演奏会を当オケが開催したホールだ。当時は、文京公会堂という名称だったと思う。

過日、後輩にあたる方だと思われるが、上記サイトからこのブログに来訪してくださった方がいらっしゃった。その訪問者の足跡から、この演奏会のことを知った。現在は、オケの団員は150名を数えるらしい。私が所属していた1980年前後は120名程度だったような記憶なので、大分増えた様子だ。私の母校に、看護・検査・歯科衛生等の学部ができ、学生数が増えたためなのだろうか。でも、医療系大学と、小規模な女子大の合同のオケとしては、団員数はかなり多い方なのかもしれない。

私の在籍していたころは、演奏する曲目としては、マーラー・ブルックナーといって大きな交響曲は不可侵の領域で、専ら、ベートーベンやブラームスの作品だった。最初にオケに乗って演奏したベートーベンの1番の交響曲や、ドビュッシーの小組曲等がとりわけ懐かしい。後者を聴くと、夏の合宿を行った白馬の近くの民宿の情景が、そこを吹き抜ける初秋のそよ風とともに、本当にまざまざと思い出される。

当時は、週二回の練習があり、確か水曜日の放課後は母校で、週末土曜日午後にお茶の水女子大で開催されていたような気がする。オンボロのチェロを抱えて、茗荷谷の通りを丸ノ内線茗荷谷駅からお茶の女女子大に向かって歩いた。そして、わんわん残響がうるさかった学生ホールで練習をし、夜のとばりの降りたキャンパスを友人とまた茗荷谷駅に向かったのだった。オケの友人と、休みの日に学生ホールで練習していた時に、のちに芸大の指揮科を出て、ブザンソンコンクールで優勝し、有名になった松尾葉子女史が、音楽棟からやってきて、君らは何をしているのかといったことを言われた記憶がある。彼女がまだお茶の水女子大の音楽教育科に在籍しておられたころのことだ。あの当時から、貫録十分な方だった。母校の部室は、今は取り壊された歯学部の半地下にあり、何時も何人かの部員がたむろしていた。その内、私も年がら年中そこに居続ける一人になったものだった。夏休みも殆ど皆勤で部室に通った。夜は、神田の学生相手の食堂で夕食をとり、また部室に戻る。時には、居合わせた部員同志で、即席のアンサンブル(といっても下手なものだったが)をすることもあった。夜9時過ぎに、帰り道の同じ先輩か後輩と連れ立って帰ることを常としていた。

私が在籍したころは、バイオリンの経験者が一ダース近く入部した。そのほとんどは、お茶の水女子大の学生たちだった。腕の達者な彼女たちが、合宿で練習の合間に、ヴィヴァルディの四台のバイオリンのための協奏曲(調和の霊感作品8の12だったか・・・)を見事に弾いていたのを覚えている。チェロは、大学から始めた部員が多かったが、一学年上に、音楽一家の出身の先輩チェリストがおり、チェロパートを引き締めていた。それ以外に、ピアノが玄人はだしだった後輩などもいた。2,3年間一生懸命練習すると、皆それなりに上達していた。

オケの曲の練習以外に、部内でアンサンブルを組み、バロックの曲や、室内楽を楽しんだ。病院の慰問に出かけたことは以前に記した。教育学部の音楽科の学生は皆ピアノが達者で、下手なチェロの伴奏を何度もして頂いた。ピアノを練習している方は、あのように達者に弾けるのが当たり前なのだと当時思い込んだが、それが間違いであることに後程気が付いた。音楽科学生たちが3年生になると、秋の学園祭で卒業演奏をする習わしになっていた。オケのメンバーが、彼女たちから声をかけられて、演奏することになるのだが、私がチェロを弾くように依頼された年は、モーツァルトの「魔笛」が演目だった。同級生のチェリストと二人で、楽しく練習に参加した。女性だけでオペラを演ずるので、男性パートはやや苦しかったが、ちょっと「大人びた」セリフや、時事批評のようなセリフも飛び出し、おもしろい内容だった。徽音堂という戦前からあったと思われるホールでの演奏だった。あの建物はまだ残っているのだろうか・・・。

取り留めなく、思い出を記し始めると、キリがなくなる。何と恵まれた時代だったことだろう。当時は、それなりに悩みや葛藤もあったが、日々生きる実感を感じていたと思う。またあの日々を繰り返したいとは思わないが、あふれるほどの懐かしさで、あの日々を思い起こす。

この記念演奏会に出かけようと思っていたのだが、閉院後のドタバタについ忘れてしまい、思い出した時には、すでにその日を過ぎていた。近いうちに、是非後輩たちの演奏を聴きに出かけたいものだ。茗荷谷界隈にもまた一度出かけてみたいものである。

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