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時代の要請 

エネルギー・環境をめぐる三つの選択肢についての討論番組が、先日NHKで放映された。原発によるエネルギーを、0、15、20から25%にする考え方の「有識者」を二名ずつ招いて議論を展開していた。脱原発を目指さない「有識者」達は、要するに、経済を優先する人々であった。脱原発の立場に立つお二人、のうち一人は経済畑、もう一方は売れっ子の精神科医師であった。前者はまともなことを言っていたが、後者はミスキャストであった。

原発の問題は、経済活動を超えたところでの思考や生き方の枠組みを変えることを要求する問題だ。行ってみれば、人はパン「のみ」にて生きるに非ず、ということなのだ。いわば、経済は、「従」の意味しか持たない。大澤真幸著「夢よりも深い覚醒へー3・11後の哲学」に、その思考・生き方の根本的な枠組みが問われている消息が、様々な視点から書き起こされている。3・11を経て、我々は、悲劇が常態として我々とともにあり、それが我々の存在を脅かしている状況を生きることになったのだ。

先に挙げた討論番組の「有識者」達の議論は、従来の発想の枠組みに囚われれているものが多かった。曰く、原発による発電をなくすと、資源の乏しいわが国は立ち行かなくなる、原発推進の米国との関係が悪化する、再生可能エネルギーはまだ開発されておらず、経済的に立ち行かない等々。こうした「有識者」のキャスティングをするNHK、その背後にある政府行政の意向は、原発からの脱却を名目だけのものにして、現在の体制を続けることにあるのだろう。具体的には、原発依存度を15%という数字に落ち着かせることを目指しているのだろう。この議論の前提の原発稼働率80%は、到底実現不可能であるから、この依存度を守るためには、原発の更新はおろか、増設も考慮されることになるのだろう。要するに、原発利権は、これまでと変わらず存在し続けることになる。

「エネルギー・環境についての国民的な議論」は、資源エネルギー庁が企画し、広告会社の博報堂に7600万円で丸投げされたらしい。博報堂と電通は、原発業界から数十億円の単位で収入を得ているらしい。行政と業界が一丸となって、このキャンペーンに励んでいるようだ。

思考・生き方の枠組みを変えなければならないという、時代の要請から取り残されている。

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