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暗記受信中にパニックになること、その対応 

先日、JBAの会合で、何人かの方が、電信の暗記受信で躓くことを訴えておられた。電文を受信中に、分からぬ単語が出てくるところで、受信が止まってしまい、そこから先に進まなくなるというのである。そこでパニクってしまうというのだ。これは、私も経験してきたことで、最近でも時には経験する。が、ずうずうしくなってきたためか、パニックにはならないことが多い。

私自身がどのように対応しているか、あれからしばらく考えてきた。その酒の席で申し上げたこととほぼ同じなのだが、対応の仕方は、三つに分けられよう。

一つは、忘れることだ。文脈から、さほど重要ではないと思えると、それについては意識の外に追いやる。但し、つっかえた単語をメモしておき、後で調べる。のんびりした交信であれば、交信中に辞書に当たることもできる。

電文の内容は、大きく分けて、二通りになる。一つは、情報の羅列である。例えば、リグ・天気・仕事の紹介等が続く場合だ。その場合、一つの情報が抜け落ちても、話を進めることに支障はないことが多い。この場合に、場合によっては、この忘却の術を使うことになる。

もう一つ、何かの論理が展開される場合もある。『民主党(これ、米国の場合)政権では、社会福祉に予算を多く使ってきた、「それで」一部の国民に仕事をしなくても良いというモラルハザードが生じている、「そのために」自分は民主党政権を支持しない。』といった内容の場合、途中の文章・単語で躓くと先に理解が進まないことがある。こうした論理的な内容の場合は、この忘却の術を安易に適用すると、話が全く通じなくなる可能性が高い。

電信での意思疎通という面からして、この忘却の術は、最後にくるべきものだ。こればかり使っていると、交信内容が貧弱になり、また自分のトレーニングにならない・・・ただし、混信や雑音のなかでの交信では、この策を取らざるを得ないこともある。

二番目の対応方法は、相手の言わんとするところを、自分なりに消化し、その文脈を展開する形で話しを続けることだ。いわば、置き換えである。ここでは、意味の取れない単語を、語彙力と文章の理解力とを総動員して、推測する作業が必須になる。これは大変なことと思われるかもしれないが、知的な作業であり、面白みを感じるところでもある。

三番目は、分からぬ文章・単語をそのまま尋ねることだ。直接疑問をぶつけることだ。取れたところまでを、そのまま送り、分からなくなったところで、WHAT?と打って尋ねても良いし、分からぬ単語を直接尋ねても良い。こうすると、大体より簡易な単語で置き換えてくれたり、説明をしてくれたりするものだ。これが初心者には良い方法だと思うが、交信が少しまどろっこしくなるのは否めない。

実際の交信でどの方法を取るかは、交信内容・交信状態・相手の技量等々によって変わってくるわけだが、文脈の大まかな流れを常に把握しておくことが大切なことになる。全体的な文脈を、たとえ内容全体がつかめていなくても、把握できていれば、パニックになることはまずないはずだ。パニックに陥るのは、やはり逐語訳を交信中に余裕のないまま進めているからではないだろうか。キーワードをログに適宜記載しておき、どのような文脈・電文の構成になっているか、常に意識することで、パニックは避けられるはず。

それと、最初はこの現実の把握は無理かもしれないが、初対面の相手では、相手の電信能力、さらには英語の表現力さえも、nativeとしては完璧ではないこともあるということが、現実問題としてはあることを承知しておいた方が良い。特に、米国の試験制度で電信の技能が要求されなくなってから、残念なことに、明らかに電信の能力が不足している方に時々お目にかかるようになった。また、英語を母国語としない国からの移住者が相手になることもある。この点から行けば、同じ相手と交信を続けていると、相手の能力、それに特徴的な言い方まで予め理解し、予測することができるので、楽になる。

と偉そうに書いてみたが、私もまだまだ勉強の途上。というより、乏しい英語の知識を如何に漏れ落とさないか、と格闘しているというのが現実だ。でも、交信をしながら、様々な考え、知見に接し、さらに英語の優れた表現に接することができるのは、この上ない楽しみでもある。

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