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SOWP 

近頃、陽の落ちるころ、14メガで立て続けに、Kemp K7UQHと二度ほど長々と交信をした。先日、シアトルでお目にかかってきたばかりにかかわらずというか、それゆえにというべきか、話題が次々と現れる。彼は、6mにクランクダウンしたタワーに、4エレのトライバンダーを載せているのだが、アンテナは東向きとのこと。でも、結構な強さで入ってくる。それでは、beamではなくeliminatorだねと私が交ぜっ返す。

話題の行く着き先は、大体、昔話になる。これまで何度も記してきた、1960年代夕方の7メガで繰り広げられた、大ラウンドテーブルについてである。お互いに知っているOM達について、昔話に花が咲く。Scrub W7ENGも、その中の一人であったことを思いだした。Kempは、Ted KH6EFWとEd KL7CEXとよく交信をしていたらしい。KL7CEXについてはあまり記憶がない。当時の生き残りは我々だけになってしまったのだから、あの大ラウンドテーブルについて記録を書き残せないかと、Kempに言ってみた。どうも記憶が遠くなってしまって、文章にはできないという彼の返事だった。残念ながら仕方のないことだろう。私の1960年代のログがまだどこかにあるはずなので、探し出して、彼の記憶とすり合わせてみようかと思ったりした。

彼との話題で出てきたのが、表題のSOWP The Society of Wireless Pioneersだ。このクラブは、無線(特に無線電信)を職業にしていたハム達のクラブで、米国にあったものだ。1960年代から80年代にかけて、腕が立つと思われたCWオペは殆どこのクラブのメンバーだった。彼らは、多くは当時、すでにリタイアした人々であり、ビギナーの相手をゆっくりとしてくれたものだった。また、お互い同士が無線通信士という職業についていたということで、友好を深めていたのだろう。そう、ちょうど、現在のJohn 9V1VVのような運用スタイル・人柄のハムの集団だったと言ってよい。

Kempが、SOWPも活動を停止してしまったからな、と残念そうに言った。ネットで調べてみると、確かに、CHRSとかいうカリフォルニアのクラブに「吸収された」とあった。昔の無線通信士で無線を楽しんでいる方が如何に減少したか、ということだろう。かの大ラウンドテーブルの主 Ed K6NBもSOWPのメンバーだった。コンテストに狂っていたSOWPのメンバーがいたという記憶は全くない。大多数は、CWという通信手段を使って、のんびりと会話を楽しむ人々だった。この週末も、狂ったようにナンバー交換をしている一群のハムがいるが、彼らとは、向かう方向が180度違う楽しみ方をしていたのが、SOWPのメンバー達であったと言えそうな気がするのだ。この狂ったようにゲームに興じている人々のなかで、普通の交信をする人を殆ど聞いたことがない。彼らはゲーマーなのである。

コンテスターにとって、ネットとPCを駆使して、いかに大きな成果(量的な成果)を得るかが一番の関心事である。彼らにとって、会話でお互いの人となりを知り、お互いの人生を共に生きるような関係になることは眼中にないのである。そうした楽しみ方は、彼らには喜びをもたらさない。キーボードとディスプレーに張り付き、如何に競争で抜け出すか、それだけが彼らの関心事なのだ。無線と言う趣味から、人間的なものを捨象したもの、単に量的なものを追求するゲームとしての無線を楽しむのである。SOWPの人々が守ってきた楽しみ方とは真逆の方向を向いている。近い将来、コンテストは、廃れるか、またはネット上のゲームに置き換えられる運命にある。

さて、SOWPおよびその運用スタイルを守る人々が、確実に減少してきている現在、この楽しみ方はどこに向かうのだろう?Kempは、交信の最後にCW FOREVERといつも打ってくるのだが、これは「願い」であり、現在の状況はこれと真逆の方向に向かっているという認識があるのではないだろうか。少なくとも、私はそう感じる。

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