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一つ問いかければ・・・ 

最近、これまでにも増して、一つ一つの交信を大切にしたいと考え、相手に対して一つ二つ質問をなげかけるようにしている。

ここ何度か立て続けにお会いしたJim W6YAにはベトナム戦争に従軍したことをたまたまお聞きしたので、それについて詳しく伺った。大学在学中に海兵隊の予備役に志願し、本来は日本の岩国基地に配属されることを予想していた(期待していた)のだが、ベトナム戦争勃発とともにベトナムに送られたということだった。戦場で歯科診療に従事していたのだが、一日に100数十名を診なければならず、ことごとく抜歯をしていたとのことだった。それにプライバシーにかかわることもたくさん伺った。彼の親友Jerryとも、海兵隊予備役・ベトナム従軍そして米国に帰ってから仕事場での偶然の再会という話もあった。この秋には、カナダのBC州にでかけて、以前からの趣味である写真撮影を再開する積りだとのこと。

昨夜お目にかかったJohn 9V1VVには、何故無線通信士の道に歩んだのかを尋ねた。若いころに、中東からインドに2年間ほど旅をしたのだが、帰ってから知り合いに、無線への関心と旅の趣味を生かすには、無線通信士になったら良いのではないかと言われ、その通りにしたのだ、ということだった。Johnは繊細な神経の持ち主で、文も立つから、文学か教職のような仕事が良かったのではないかと尋ねたが、過去を振り返っても仕方あるまい、現在を生きることだとの答えだった。数年前に、シンガポールに東京交響楽団が演奏旅行に行った際、その音楽会に足を運んだらしい。このオケの実力は大したものだと思うが、名前は知れているのかと尋ねられた。日本で最高の評価を受けているとは言えないかもしれないが、トップクラスのオケだとお教えした。東響のチェロパートの響きが素晴らしかった、とのことだった。

これは問いかけから始まった交信ではなかったが、Tom K8EBRとの交信も興味深かった。リタイアしたエンジニアである彼とは何度か交信をしたことがあった、がそれほど親しく話をした仲ではなかった。先日会った時に、私の英語のブログを読んでいること、昔の仕事場のBossだったErnest Rodin博士に私のブログを紹介してくださったとTomの方から突然切り出された。Rodin博士は、1960年代脳波研究にコンピューターを応用する研究を始めた神経学の医師で、その方面ではパイオニア的存在であること、そしてTomは彼の下で仕事をしてとても有意義な年月を過ごしたことを伺った。Rodin博士は、第二次大戦後オーストリアから米国に移住された方で、第二次世界大戦当時の経験を、医師の眼差しで記した書物があるという。War Mayhemというタイトルでネットでも公開されている。Tomに、その本を読んでみるように勧められた。ネットでダウンロードして、読み始めたところだ。ナチスの行ったことは、特に狂った者たちの仕業ではなく、ありふれた人間の行ったことだったという、冷静な分析に興味を抱いた。このような書物を紹介してくださったTomには感謝である。私が医学への道を歩みだす大きなきっかけを与えてくれたVictor E Frankleと、Rodin博士は同時代にウィーンで医学の勉学をしていたのかもしれない。

私もややもするとそうなのだが、無線の話しでは独演会になってしまうことが多い。また、英会話に自信がないため、型通りの交信内容が終わるとお仕舞にしてしまうことが多い。そこを一歩突っ込むと、また新しい世界が開ける。交信相手の人生を追体験するような貴重な話が聞けるのだ。大切なことは、一歩を踏み出すことだ。

ラグチューや、暗記受信というと、何か特殊な技能・領域のように思われるかもしれないが、そうではない。普通の交信から一歩踏み出し、相手に語りかけ、相手の言うことに耳を傾けることから始まるのだ。PCで訓練したところで、仲間内で紋切型のラグチューを繰り返したところで、この楽しみには到達し難い。
一歩踏み出し、そこから新たな人生体験をすることだ。

それを楽しみに、私はまた電鍵を叩く。

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