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行政と調剤薬局の関係 

過日、茨城県の基幹病院が、診療報酬の不正請求を行っていたとして、保険医療機関の取り消し処分を受け、大きな騒ぎになっている。不正は不正なのだから、処分を受けることは致しかたないが、如何にも事大主義な処分という印象を抱くとすでに記した。多くの患者や、この不正にかかわっていない大多数の医療従事者のことはお構いなしの処分なのだ。だが、どうも処分を軽減する話が裏でついている気配がある。処分はしたが、軽減するということになれば、この出来事で印象に残るのは、行政の権限の圧倒的な強さ、支配力である。その効果を狙って、行政はこの処分を行った、ということになる。



一方、調剤薬局と、厚生労働省の関係で面白い事象がある。国民医療費が伸びたといって問題にされているが、高齢化の進展や医療技術の発展に伴う医療費の伸びがあり、致しかたのないところもある。

だが、調剤薬局の収入の伸びがすさまじいことはあまり知られていない。

m3で上げられたデータを示す。


          国民医療費        調剤医療費

H9         28.9兆          1.6兆

H22         37.4兆          6.1兆


この間、全体の医療費は8.5兆円の伸びがあり、そのうちの4.5兆が調剤医療費。医療費の伸びの52%が、調剤のみによって起こされている。国民医療費が27%増える間に、調剤医療費は281%増加している。医療費全体の伸びに占める、調剤医療費の伸びは飛びぬけている。この多くは、調剤薬局数自体の伸びを反映している。しかし、調剤薬局へ多くの医療費が誘導されていることに変わりはない。

さすがに、この数年間の調剤医療費の伸びは鈍化しているが、すさまじい伸びである。調剤薬局が、これだけの医療費に対応する仕事をしているだろうか。私の見聞きする範囲では、そうは思えない。薬剤師は、病気の診断について「知ることなく」、投与薬剤について説明をすることになっている。また、調剤薬局は、診察室のような構造にはなっておらず、ホールのようなところで、「通り一辺倒の説明をする」だけだ。患者のプライバシーも何もあったものではない。

医薬分業の功罪について、ここで論じる積りはない。現状の調剤薬局における調剤業務・患者への説明の内容からして、現在の調剤薬局に対する診療報酬は、医療機関のそれに比べてバランスを欠いている。すなわち、仕事内容に比べて、高すぎると言いたいのだ。



で、調剤薬局は、行政に対して「極めて強気」である。医療機関にとって、厚労省の通達はまさに法律のような意味を持つが、大手調剤薬局は、厚労省の通達の「無視」を宣言し、それを実行している。これは、本来ならば、調剤薬局の保険診療資格停止にも相当する「違反」のはずだ。でも、今のところ行政は何もしていない。何もできないのではないだろうか。

さて、行政はどのような対応をするのか。

この事象の背後に、調剤薬局と厚労省の力関係、背後での結び付きが垣間見える。



以下、引用~~~

厚労省の薬ポイント禁止、ドラッグストアは無視
読売新聞 10月4日(木)17時37分配信

厚生労働省は今月1日から、処方箋を出して薬局で薬をもらう保険調剤で、患者が支払う自己負担分に応じてもらえる調剤ポイントを原則禁止とした。

これに対し、ドラッグストア業界が猛反発。クレジットカードなどで支払った場合のポイントは容認されているためで、ドラッグストアの業界団体は、国の規制の無視を公に“宣 言”するなど、異例の事態となっている。

「公平性から見て、国の規制はどう考えてもおかしい」。日本チェーンドラッグストア協会(横浜市)の宗像守事務総長は、強い口調で国を批判する。

多くのドラッグストアでは、独自のカードを示して、市販薬や衛生商品などを購入した際、例えば100円につき1ポイントを付けるなどしており、保険調剤の際の自己負担分に も同様のポイントをつけている。その後、たまったポイントで商品を購入したり、景品と交換したりできるが、保険調剤の自己負担分には充てられないルールのため、健康保険法 が禁じる処方薬の値引き販売にはあたらないとしており、宗像事務総長は「国もいったんは認めていた」と主張する。

厚労省は9月14日、「薬局の選択はポイントの提供によるべきではない」とする通知を出し、10月から原則禁止とする姿勢を改めて強調。クレジットカードなどの扱いについ ても、「年度内をめどに検討する」とし、何らかの規制を設ける可能性を示唆した。

これに対し、同協会は9月19日、「(クレジットカードなどとの)平等性により、調剤ポイント付与継続は来年3月まで可能」とする独自の見解を発表。大手チェーンの多くが これを踏まえ、10月以降もポイントの提供を続けている。

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