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「社会保障と税の一体改革関連法」 

政府の推し進めている「社会保障と税の一体改革」について、鈴木寛議員が、MRICでその理解を求めている。日本の財政規律の立て直しは、一刻の猶予もならない。なんとなれば、このままで行くと国債金利が上昇してしまい、国家財政が破たんするというのだ。これは、医療におけるパターナリズムと同等である。緊急事態なのだ、ということらしい。

国債の大部分は自国内で買われているので、禿鷹ファンド等外国の資本により荒らされる可能性は少ないと言い続けてきたのが、財務省・政府だったのではなかったか。確かに、日本国債を持つ外国資本の割合が現在8.4%と上昇してきているらしい。が、今になって、国債暴落で緊急事態だと喧伝し始める政治家としてのいい加減さに呆れる。

大体において、今回の増税が何のためなのか。増税の見込みが立った時点で、政府は、整備新幹線3区間の着工を認可、さらに外環道建設も再開しようとしている。この両者だけで4兆円を超す事業となる。政府だけでなく、野党側も10年間で200兆円(自民党)、100兆円(公明党)の公共事業の計画を打ち上げている。2012年度公共事業予算が5兆円であったことを考えると、数倍の上乗せである。さらに、復興増税には、公務員の利権が絡むと思われる復興と直接関係のない予算が組み込まれて、問題にされている。

一方、社会保障分野にどのように税を用いるかの検討は、今後の国民会議での議論待ちだと言う。こうした諮問会議は、官僚の意向を実現するための儀式であることは、良く知られたことだ。社会保障分野には厳しく切り込まれることだろう。

税の用い方、また税の用い方を決める方法は、国の進む方向、国の形を決める根本的なことがらだ。今のままでは、「審議が不十分」「マニフェストにない」「まずは国民の意思を問うべきだった」と言われても仕方ないのではないか。まさにインフォームドコンセントの欠如である。国家財政がまったなしの危機的状況にあるのはよく分かっている。だからこそ、しっかりと議論をすること、国民の意思を問うことが必要なのではないだろうか。

パターナリズムを、それの実行主体である政治家が言うのはおかしい。限られた資源のなかで困難な仕事をしている医療界に対する冒涜に近い比喩だ。政治家には説明責任と結果責任がある。


以下、引用~~~

医療現場危機打開・再建国会議員連盟幹事長
民主党政策調査会副会長 鈴木寛

2012年10月15日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
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17年ぶりの消費税率引き上げを定めた「社会保障と税の一体改革関連法」。6月には衆議院可決に先立つ3党合意をめぐって、与党内が紛糾する場面もありました。テレビ等では、「審議が不十分」「マニフェストにない」「まずは国民の意思を問うべきだった」といった論調が中心でした。しかし実際、国民の皆様に本当に偏りなく情報が伝えられているのか――改めてご説明し、ご理解いただく必要性を感じています。

法案成立によって政府が守ろうとしているのは、まさに国民の財産であり、生活です。最大の懸念は、国債金利の上昇です。国債金利の急変が仮にあった場合、日本の金融機関や国民の財産が減失し、国家予算編成に窮するという可能性が否定できません。IMFも同趣旨の懸念を表明しています。ところが、こうした事態の危機感は共有されていません。

もちろん、一体改革法は国民の意思を問うに値する重要な案件です。国民の皆様にしてみれば「もっと自分たちを信じてほしい」と思われるでしょう。ただ、判断材料たる情報をきちんと伝えてくれない状況で、皆様も適切な判断が下せるでしょうか。特に、国債金利を低くとどめる努力は一瞬も気を抜けません。「マニフェストにない」からと放置はできないのです。

この状況は、医療で言うところのパターナリズム(父権主義)とインフォームドコンセント(説明を受けた上での患者の同意)の関係を思い起こさせます。古来より医療では、患者に利することを前提に、医師に治療の裁量がありました。近年では患者の意思決定の自由を尊重し、事前のインフォームドコンセントが重視されます。しかし患者の容態が急変しそうな場合には、可能な限り説明を尽くした上で緊急手術に踏み切るのが、主治医のあるべき姿です。同じように一体改革法は、目前の最悪のシナリオを回避するための、ぎりぎりの選択というわけです。

なお、社会保障制度改革の中身については、有識者や国会議員による「国民会議」ですみやかに議論し、結論を出すことになります。これからが本当の正念場なのです。

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