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医師の労働実態調査 

共同通信の最近の報道。こうした労働をしている医師に、診察をしてもらい、検査を受け、さらに手術をしてもらいたいと思いますか?この奴隷のような労働を強いられている医師を、医療費削減と医療訴訟がさらに追い込んでいます。

そうした医師は、静かに職場から立ち去っています。中堅どころの医師のいなくなった医療機関は、最早医療機関として機能しません。機能しなくなった医療の現場を、再び機能させるためには、極めて長い時間と、大きな人的・経済的な投資を必要とすることでしょう。それは、英国の歴史が明らかに示しています。それまでの期間、苦しむことになるのは、社会的な弱者である患者さんそのものです。

下記のデータは、私が勤務医であった頃の実際の経験とよく合致します。宿直明け後にduty freeになる場合が4%あるとされていますが、私の経験ではそうしたことはありませんでした。また、聞いたこともありません。

以下引用・・・

日本医労連は19日、医師の労働実態調査の中間報告を発表、宿直勤務明けも連続して勤務する医師は96%に上り、3割近くが調査前月の休日はゼロだったことが分かった。医労連は「医師の過酷な勤務が浮き彫りになった」としている。

 調査は昨年11月から今年1月にかけて、全国の加盟単組などの医師を対象に実施し、約1000人の回答をまとめた。

 1日の平均労働時間は10.5時間で、全体の45%は1日12時間以上。前月の宿直回数は平均2.9回、約4人に1人が4回以上の宿直をしていた。宿直明け後の勤務が「ない」と答えたのはわずか4%。これまでの最長連続勤務時間は平均32.3時間で、中には60時間以上連続で勤務した経験のある医師もいた。

 前月の時間外労働時間の平均は63.3時間。約3割は、時間外労働手当の請求をせず、サービス残業をしていた。

 女性医師で出産経験のある人のうち、妊娠時の経過が「順調」だった人は43%。2割以上が切迫流産を経験していた。

 全体の約9割が「医師不足と感じる」と答え、医師確保のために必要なこととして「賃金・労働条件の改善」を挙げた人が最も多かった。


コメント

現状認識の方法

上記の件に関連して、よく勉強させていただいているブログの管理人さんがこの様なことを書いておられました。非常に重要なことを含んでいるように思います。

<ここから引用>
それは、周辺の医療圏の厳しい状況を見れば一目瞭然のことなんですが、何とかぎりぎりでも持ちこたえているうちは、一般の方々に事の重大性に気づいていただくことは非常に難しいようです。

地域医療の崩壊を阻止するためには、一般の方々に現在のきわめて危機的な状況を十分に理解していただく必要があります。
<ここまで引用>

自分たちが頑張ることは結局、ことの重大性を知らせないことになっている、と言う本来の目的とは相反するような出来事があります。
皆さんに分かってもらいたい、と仕事を頑張るとかえって分かってもらえなくなる、そんな感じでしょうか。
医療崩壊は避けられない、とする風潮が最近増えてきましたが、その一つの原因、というか原理なのかも知れません。

困る人が出なければ、それも大量に出なければ、システムとしては順調にいっていると考えてしまうものなのかも知れません。医労連がどんなに悲惨なデータを出しても、これを読んだところでその痛みを我が事として理解できる人は多くありません。

やはり一度システムの崩壊・破綻を経験することでしか、現状の打破にはつながらないのではないか、最近はそう思います。

あぁ、焼け野原待望論ですね。私も最近は、待望まではしませんが、致し方ないかという気持ちになりました。

ただ、焼け野原になった時に、問題が二つあります。

焼け野原になって、なおかつ医療人の苦闘を理解されぬ可能性はないのか。むしろ、医師・医療関係者が、医療崩壊の元凶であるかのようなキャンペーンが張られることはないのか、という問題。

それに、医療崩壊後に乗り込んで、日本の医療を食い物にしようと企んでいる、資本家達がいることも問題です。連中は、崩壊をむしろ待ち望んでいることでしょう。地方や僻地の医療、貧しい人々の医療などには目もくれず、大都市で先進医療を限られた持てる人々にだけ提供するビジネスを展開することでしょう。公的な保険では、殆ど医療を受けられぬ、という状況です。

国民が自らの問題として、情報を得、考えてくれぬことには、問題は解決しないことでしょう。その点では、私もかなり悲観的です。あの郵政パフォーマンス選挙で、小泉元首相に全権を与えてしまった国民ですから。

で、何故ここでこんなことを繰り返し書いているかというと、いわば、足跡を残す、この時点で私はこのように考えていたのだ、という足跡を残すためです。それ以上の意味は、あまりないのかと思うようになりました。

焼け野原後…

あぁ、そうですね。焼け野原後ってあんまりイメージできなかったので考えていませんでしたが、管理人さんの仰るような問題点は確かにありそうですね…。

多くの患者さんが困るでしょうね。医療機関に勤めることもきつそうですね。高度医療は大変だろうなぁ。どうなるんでしょうか?

病院の設置は行政課題から単に企業の問題になるわけですよね。そこに病院を建てれば儲かる、と思えば病院をもってくる。不採算部門は真っ先になくしますしね。そうですよね…。別に行政が主導してスーパーとかもってこないもんなぁ…。
で、病院にはスーパーみたいに値段表がズラッと貼られたり、毎週水曜日は特価デーみたいなことしたりするんですね。
病院の玄関には顔写真と経歴入りのショーケースがあり、それぞれ値段(係数)が書いてあったりして…。
医師の説明(1時間)は1回2000円頂きます。30分追加するたびに500円加算されます。
効果がなければ1000円のキャッシュバック付き特約!!なんて売り出してみようかな…。
当院で看取った場合には、宗派に関係なく当院関連寺院の住職による読経つき…、とかとか。
しかも経営者は医療には関係なく、もちろん現場も見たこともないバリバリの経営マンが来たりするわけですね…。
あーやだやだ。ゾッとします。

QWさん

そんな光景が、見られるようになるかもしれませんね。それと、入院患者に何らかの手技を行う、または新しい薬を用いるときには、患者さん本人への説明と共に、保険会社の承諾を得ないと行えない、ということになるのでしょうね。その交渉専門のスタッフがいて、交渉に当たるのだとか・・・。

経団連は、必要最小限の医療は、公的保険で受け、それ以外の高度医療は、自己責任で民間保険を用いて受けるようなシステムを想定しているようです。その線引きは、いくらでも公的保険を小さくする方向に持っていけそうですね。

私は、あと数年もすると、医療の第一線から手を引くつもりですので、自分が医療を受ける立場、それに一生懸命医療現場で仕事をしている先生のような若い医師の立場を考えてしまいます。大資本に搾取される医療は、ごめんだというのが本音ですね。

これまでの国民皆保険制度は、右肩上がりの経済成長と、医療従事者なかんずく勤務医の献身的な仕事によってかろうじて成立してきたのでしょう。それを、国民の知らぬうちに、大資本の金儲けの道具にはされたくないと切実に思います・・・、

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