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経団連の「医療改革」についての提言 

経団連が、「持続可能で国民の満足度の高い医療の実現に向けて」と題して提言をしている。

現在の政権さらには官僚も、経団連の言うがままであり、このプランが、極めて近い将来実現するだろう。政治家は、大企業から献金を受け、官僚は特殊法人・民間企業への天下りを行い、大きな利益を得ている。彼等は、経団連のこのプランを諾々と受け入れ、実現することだろう。選択肢が増えるとか、効率化とか美辞麗句が並ぶが、この提言の本質を理解することが必要だ。

実際、この提言の指す方向に確実に進んでいる。我々は、この提言をよくよく読んでおく必要がある。このシステムが出来上がったら、元の皆保険制度には戻れないことは、米国の例が示している。

要するに、これまで国民皆保険を担ってきた公的保険を、最小限にする。国民は、自助・自立の精神で、病気になったら、自分で医療のコストを負担せよ、ということだ。医療貯蓄口座という、積み立てを国民各人が行い、医療が必要になった時に備えよ、という。政府は医療給付は極力抑制する(即ち、公的保険等を通しての、国民の医療コストを担うことは、最小限にする)。政府は金は出さない、自分でいざというときのために準備しておけよ、というわけだ。

医療コストは、一つの病気に対して定額で支払うシステムにする。患者は、入院が必要になっても、出来るだけ短期間に必要最小限の医療内容で退院させられることになる。自費の部分を増やせば、必ずしもそうではないが、医療は最小限のサービスを、高い自己負担によって得ることになる。粗診乱療にならないために、保険者等がチェックするというが、彼等はそのようなことはしない。特定の医療機関に圧力をかけ、医療支出を減らすことだけを目指すだろう。それも、米国医療で実証済みのことだ。

高齢の方に医療費がかかることから、このようなシステムにしないとやって行けないと、この提言は言う。高齢者が今まで営々と支払ってきた、税金や、保険金は一体何処へ行ったのか。このプランに、怒りを覚えないでいられるか。我々一人の例外なく、やがて高齢となり、病を得る。その時に、この医療システムで良いのかどうか、よくよく考えておく必要がある。

コメント

あぁ…酷い

医療は教育やガスや水道と全く同様に社会資本です。
その社会資本に株式会社のような競争原理をたくさん持ち込んだり、工業製品のように一様ではない集団を相手に、工業製品の製造過程における管理手法を持ち込んでも上手くいくはずがないでしょうが…。
経団連の親玉達には、自ら率先して範を垂れていただきたい。
この国は…どうなっちゃうんでしょうか。
美しくない国、日本。
畳の上では死ねない気がしてきました。

いやぁ、メチャクチャですね。

この同じ経団連が、年収400万円を限度として、それ以上の超過勤務による収入はチャラにしようという提言も一方ではしているのですね。

400万円の年収で、家族を養い、それに自分と家族の病気に備える貯蓄をせいというのか、という反発が出てこない。マスコミもそれを報道していないようです。経団連のホワイトエグゼンプションの提案は、仕事を始めたばかりの若年層ではなく、管理職一歩手前の働き盛りをターゲットにしているようですから、その対象年齢層は、苦しい生活になることが見えています。

国民を「生かさず殺さず」に近い発想ですね。いや、生かさず・・・病気になれば、野垂れ死ね、といわんばかりだ。

それに、現在の医療崩壊の問題には、全く答えていません。自分の力量に見合うだけの収入が得られていないと考えている医師がいるから、彼等には自由診療によるより大きな対価を認めよう、という話ですね。医師の不足、それに労働環境の厳しさ、医療訴訟の問題、何も提言では触れていない。彼等の本心は、都内の大きな有名病院さえ生き残ればよいという発想ではないでしょうかね。医療崩壊は、むしろ進んで欲しい、そうすれば、医療コストへの国と企業の支出を減らせるというのが、彼等の本心ですね。

「持続可能な」という形容が生まれてきた時には、公的扶助は大幅に切るということの言い換えですね。年金の問題と同じ。「自助」という言葉も踊っています。一旦病気になったら、自助も自立もできなくなるのだ、ということが分からないようだ。このプランによって、持続可能になるのは、国民でなく、政治家・官僚と大企業ですね。

と、まぁ、あまり悲憤慷慨しても始まりませんから、この提言(というか、悪魔の呟き(笑))の不条理・誤りを一つ一つ検証し、それを患者さんに伝えて行く努力をしようと思います。この年齢になって、こうした闘いをする必要が出てくるとは思いませんでした。

QWさんの世代は、本当に大変ですね。共に闘ってゆきましょう。焼け野原の後に、希望の持てる社会を到来させるために・・・。

そうですね…

昨今の状況を見るにつけ、なんだか泣きたくなるような気持ちになります。
明日に希望が持てない状況、と言うのはなかなかに厳しいものではあります。

頑張れば来年は今年よりも楽になるから、と思えば今年一年頑張れます。でも、どう見てもこれから先5年くらいは楽になる、つまりこの場合当地に医者が増える可能性はほとんどないのです。いい材料が、ない。これはきついです。次は誰が「辞める」と言い出すのか、そんなことを戦々恐々お互いに打診しあうような感じです。

誰だったか言っておりましたが、経済成長が鈍ってきたとき、社会保障は最初に削られるもの、なのだそうです。何故かというと経済成長に資する部分ではないからなのだそうです。加工貿易で栄えた日本を支えて、エンジンになるのは製造業なのだそうです…。
なんか、そうかなぁ、とちょっと批判的に感じたのですが如何でしょうか?

少なくとも産科・小児科はその製造業に従事する人間を増やすためにも、国策として非常に重要な部分だと思うのですが、これが何にもで来ていない。役人は何が大切かを全く理解できていない、と言うことなんですよね。困りました。
ま、しょうがないか…。

確かに、現在の国民皆保険制度は経済成長が右肩上がりだった時だけ成立するものかもしれません。医療費の伸びの多くの部分が、医療技術の発展によるということも分かっているようです。

私は、皆保険制度を堅持すべきだと思います。その財源は、公共事業や、特殊法人の特別会計からまだ持ってこられると思う。それでも不足する部分は、税で賄わなければならないと思うのです。

そして、先端医療に要するコストを削減することも真剣に取り組まなくてはいけない。よく言われていますが、カテーテルや、ペースメーカーなどの値段が、日本では外国に比べて、一桁近く高い。それに薬剤でも、国際比較してあまりに高い。こうした問題を解決するには、産業界に痛みを課さなければならないので、今の政治・官僚体制ではなかなか難しいのでしょうね。

それと、地域医療・大学医局の崩壊現象は、全体を俯瞰できぬ近視眼的で無責任な官僚の施策のためですね。政治が、現実に即して官僚の施策の誤りを是正しなければならないのに、そこまで出来ない。

ここ数年間は、特に厳しい時代が続くのでしょう。国民が問題に気づいて、医療者と協同して問題解決にあたるような時が来なければ、この厳しさは続くのでしょうか。医療崩壊に直面した人々が、どのような声を上げるのか、固唾を飲んで見守りたいと思います。

来るときまで、体を壊さぬように、生き延びてください。

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経団連のいいなりになっている自民党政権

ステトスコープ・チェロ・電鍵「経団連の「医療改革」についての提言」を読んだ感想。同記事中の、高齢の方に医療費がかかることから、このようなシステムにしないとやって行けないと、この提言は言う。高齢者が今まで営々と支払ってきた、税金や、保険金は一体何処へ行った

  • [2007/02/23 12:57]
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