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閉院後8カ月以上経ってからの、保険者からの返戻 

先ほど、診療報酬支払基金の方から電話がかかってきた。この手の電話はあまり楽しくない話が多い。

担当の方が言うには、私が診ていた患者さんのケースで、「アクアチム軟膏」という抗生剤外用薬に対する診断名が抜けているという指摘が、ある保険者からあった、ということだ。要するに、その薬のコスト、および院外調剤関連のコストを私に払えと言うのである。軟膏のコストは、100円、200円だろうが、調剤コストは数千円になる・・・。その両者を私が負わなくてはならないという、支払基金の主張である。

カルテを見直し、診断名についてこちらの言い分があれば、再審査請求という不服申し立てができる。だが、病名が落ちていたら、決して再審査で認められることはない。このケースでは、恐らく病名落ちなのだろう。また、実際上、カルテを調べて、再審査請求を、一人でやるのは困難である。

この返戻に関して、幾つも感じるところがある。

一つは、閉院して8か月してから、保険者が返戻してくるのはあまりに遅い。こちらは、診療をした月の翌月、月初め1週間程度で、診療報酬請求書類をまとめて出している。支払基金は、2か月で、その書類を保険者に回しているらしい。今回の場合は、閉院後8か月以上たっている。我々が要求される迅速さに比べると、あまりに遅い。いつまでも、こうした返戻を保険者にさせるとすると、返戻の時期内容がルーズになりうる。保険者のやりたい放題ということだ。

病名を記入し忘れているとしたら、慣例上、一発でその請求が認められぬことになっている。記入漏れといったことは最小限にしていた積りだが、人間のやることだから、ミスは必発だ。この薬剤を出すことによって(アクアチムだけの処方はまずあり得ない)、院外調剤の場合は当然のこと、院内調剤であっても利益が医療機関側に入ることはない。それなのに、経済的な負担を医療機関にかぶせてくるのは納得しかねる。はたして、行政や保険者は、事務的なミスがゼロなのか。こうしたミスが、挽回できぬ仕組みは、社会的な公序良俗に反する。

この返戻に対して、こちらの「非」を認め、返金に応じるとしても、調剤薬局の受け取った技術料(前に記したとおり、これがまた結構な額なのだ)までこちらが負担しなければならないのも納得しかねる。調剤薬局とは、医療機関とは別な組織なのであり、返戻が「診療しなかったことにする処置」であるとするならば、調剤薬局が、その懐に入れた調剤にかかわる診療報酬を返還すべきなのだ。医療機関の「ミス」のために収入を減らすのが納得できないということであれば、その院外調剤薬局は、そこから撤退すべきだ。

考えてみるに、こうした些細な行政(支払基金は、半行政程度だが、官僚の天下り先と言う点では、医療機関にとって好ましくない組織だ)とのやり取りを続けなければならないことのストレスが鬱積して、私は閉院を考えるようになったのだった。こんな「事務的」なやり取りは、やり過ごしていればよいと達観しつつあったが、それでもこうした無意味なやり取りに心理的なエネルギーを費やすのは御免こうむりたいと思い続けてきたのだ。閉院したこれからも、ダラダラとこうして保険者・支払基金とやり取りを続けるのは是非ご免こうむりたい。


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