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選挙結果を受けて 

今回の衆議院選挙結果については、マスコミ等でいろいろと取りざたされているし、素人の私が付け加えることはあまりない。大方の見方では、自民圧勝というよりも、消去法で自民支持が残ったというところなのだろう。記録的な低投票率が、組織選挙政党に有利に働いたのだと言われている。

こうなった背景は、一つは、良く言われることだが、政治への不信が、かなりの国民の間に広まっていることがあるのだろう。無効票が、過去最大であったこともそれを反映しているのかもしれない。また、マスコミが事前に「自民圧勝」を何度となく報道していたことも、投票してもしなくても良いという意識を国民に植え付けたのではあるまいか。

自民党がとりあえず行おうとしている政策は、

1)金融緩和によるデフレ脱却 
2)改憲 
3)米国との関係強化 

のようだ。

1)については、早速、円安と株高が進行している。この変化は実体経済の改善を伴わない、金融緩和を先取りする、表面的な動きだ。現在のデフレは、需要が落ち込んでいることに原因があるのに、そこで金融緩和をすれば、「悪しき」インフレが起きる可能性が高い。インフレになり、円安に振れれば、輸出企業の業績が良くなるという見方もあるが、国内内需は、むしろ低下することだろう。輸出大企業には、すでに実に200兆円超の内部留保がある。

輸出への依存を減らし、国民の需要がいくばくかでも改善する政策を打つべきなのだが、それとは逆行する施策が行われることだろう。また、インフレになるとまず打撃を受けるのが、リタイアした人々である。年金、資産の実質的な目減りになるのだ。ここまで国家財政が悪化すると、インフレ誘導し、国民資産を簒奪することしか、それを脱する道はないのかもしれないが、広い意味での国力は低下するだろう。

2)は自民党の党是であり、以前のポストに記した内容で、改憲支持の他党を巻き込んで進めてくることだろう。基本的人権の軽視、憲法順守の強制という国家秩序への強制的な隷属、天皇を中心とした国家体制、現憲法の平和主義の廃棄、集団的自衛権の確立、戒厳令に等しい政府による緊急事態対応ということが、改憲の内容だ。

集団的自衛権とは、米国の戦争に、兵士を送り込むと言う形で加担することだ。米国との集団的自衛権の関係にある韓国が、ベトナム戦争で2万人の死者をだしたことを忘れるべきではない。米国の世界支配は、必ずしも善と見なされることばかりではなく、むしろ米国の利権を確保するためのことが多かった。そうしたことを踏まえたうえで、集団的自衛権を支持するかどうか決めるべきではないか。この政策は、我々自身、そしてその子供たち、孫たちに銃を取ることを強制する

これまで人権等を制限する因子は、「公共の福祉」であるとされてきたが、改憲案では、「国の秩序、国益」が、それにとって代わる。国家秩序、国家体制が、人権よりも優先するのだ。実際に、自民党のウェブや、自民党議員は、これまで西欧流の個人主義が国民の悪しき個人主義を助長してきた、それに代えて日本の伝統的な秩序を優先するのだと明言している。これは、国家による基本的人権の蹂躙を行わせぬために、国家に遵守させるためにある、という近代憲法の基本理念に逆行することだ

3)米国との関係強化の実際は、TPP批准に進むことになるだろう。現在は、TPP批准をする条件として、聖域なき関税撤廃に反対すると言っているが、米国の目的は、関税よりも非関税障壁の撤廃である。要するに、日本社会の米国化である。医療介護でいえば、資産の有無によって、医療介護を受けられるかどうかが決まる社会の実現である。米国の保険資本が津波のように押し寄せ、公的保険は非関税障壁として最小化される。日本の農業も、壊滅状態になることだろう。医療介護・農業といった、社会生活の基盤となる制度・資本を、利潤追求だけが目的の巨大資本に与えることになるわけだ。米国の目的は、日本国民がこれまでにため込んだ資産の簒奪である。

まぁ、ここまで進んでしまえば、後には戻れないのだろう。じっと見守るしかない。改憲だけは、後の世代のために防ぎたいものだが、難しいのかもしれない。

昨夜お目にかかったBob W6CYXは、日本も米国もEUも経済的にはダメだろう、唯一大丈夫そうなのが、中国だ。なぜ大丈夫なのか、それは国民の声を吸い上げるシステムになっていないからだ、と皮肉たっぷりに言っていた。日本は、今のところ自由に声を挙げることができるが、政治に無関心になり絶望してしまって、日本をあらぬ方向に向かわせてしまいそうな気配がある。Bobの言葉は、彼の信奉する新自由主義経済が破綻していることを端的に示し、その克服こそがこれからの世界的な課題であることを意味する。それなのに、日本の向かおうとするのは、この危機から「後ろに向かって」歩き出すことのように思われてならない。

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