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日本経済の行く末 

これほどまでに、日本政府の財政状況が悪化しているのに、なぜに円高が続くのか、さらに長期金利が上がらないのか、ずっと不思議に思ってきた。良く言われるのが、日本国債の9割以上が、日本国内で買われているので安定しており、さらに日本の安定と力量を見込まれて、円が買われているのだと言った説明だった。しかし、対GDP比でギリシャをはるかに超す借金を抱え、超高齢化社会に突入しつつあるわが国が、そのように国際的に評価されているとは、にわかに信じられなかった。

経済に詳しい方ならとっくのとうに理解なさってきたことかもしれないが、藤巻健史氏の「日本大沈没」という本を読んで、やはり日本が危機的状況にあることが改めて分かった。藤巻氏は、為替トレーディングで生きてこられた方であり、その考えは、市場主義の最たるものだ。なので、現状分析を今後の対応に結びつける彼の考えには納得しかねることも多いが、現状分析そのものは、変な希望的観測などが入らず、極めて的確なもののように思える。

彼によれば、国債が暴落せずに済んでいるのは、長年政府・日銀が、国債価格を維持するようにコントロールしてきたからだ、という。本来、市場にまかせるべきところを、一つは、郵貯や民間金融機関に低利で大量の国債を買わせるような制度を築いてきたこと、もう一つには、市場の国債への評価である長期金利を低く保つために、長期国債から短期国債にシフトさせてきたことが、そのコントロールの内容のようだ。外国からの投資対象にならないのは、日本国債に魅力がないだけのことだそうである。外国から見ると、日本は計画経済の国であるように見えるらしい。

彼によれば、消費税増税で日本の現在の財政赤字、それにこれまで積み上げてきた財政赤字を改善しようとしたら、消費税増税は30%以上にしないといけないということだ。確かに、消費税1%で、2兆円の税の増収になるからそのようになるかもしれない。が、金利が上がると、国債の利息も増える。金利が1%上がると、毎年10兆円利子負担が増えることになる。さらに、増税により、景気の悪化、それに伴うもともとの税収の減少も不可避となる。

藤巻氏の結論は、日本の財政破たんは避けられない。その際には、政府は機能しなくなり、社会保障その他の行政は麻痺するだろう、ということだ。この財政破たんは、例えば、ヘッジファンドが、日本国債先物を大量に売ることによって生じうるということだ。または、民間金融機関が国債を買わなくなる、買えなくなることによっても生じるだろう。それがいつ来るかは分からない。財政破たんに伴い、日銀は、円を大量に発行せざるを得なくなる。すなわち、ハイパーインフレが生じるのだ。すると、これまでの貯蓄は紙切れになる。円は、暴落する。・・・という筋書きである。藤巻氏の描く筋書きでは、円安になって、日本企業に競争力が生じ、数年後には再び日本経済は成長し始めるだろう、ということだ。

こうした「悲観論」は、これまでも耳にしたことがあったが、日本国債の現状を理解すると、それが「悲観論」ではなく、現実そのものであることが理解できる。

で、その来たるべき、破たんの時期に備えて、我々にできることは少ない。藤巻氏は、蓄えがあれば、外貨での預貯金、外国への投資を進めているが、日本が「沈没」するとすると、先進国の経済にも深刻な影響が及ぶことだろう。もしなしうることがあるとすれば、自分の生活の基礎を持つこと、食料を自給するか、それに近い形で手に入れられるようにしておくことだろうか。数年間は、年金も含めて公的なサービスが受けられぬ状況で生きる覚悟が必要になるのだろう。その時になってあたふたしない心づもりが必要なのだ。

安倍次期首相と、日銀は、さらなる金融緩和を行うと決めた。長期金利も僅かだが、上昇傾向を示している。インフレターゲットを2%とし、それに向けて、じゃぶじゃぶ円を市場に供給するつもりらしい。しかし、一旦インフレが始まったら、それをコントロールする術はないはずだ。現在の不況は、需要の落ち込みから生じているのであり、金融緩和で解決しない。そして、この金融緩和は、ハイパーインフレの引き金にもなりうる。現在の日本の財政赤字の大半を、公共事業の垂れ流しで積み上げてきた自民党政権、それが政権復帰を果たし、また公共事業を推し進めてハイパーインフレを引き起こす。ハイパーインフレは、政府が国民から、富を収奪することに他ならない。何とも悲喜劇ではないか・・・。

コメント

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Re: 日本経済の行く末について

yさん

訪問下さり、コメントを残してくださりお礼申し上げます。書かれたことに頷きながら読ませて頂きました。近い将来にやってくるであろう、カタストロフが、どのような形で何時やって来るのかは分かりません。大きな経済的苦境になることでしょう。が、数年すればまた経済は上向いてくるはず、その間をどのように生き延びるかということではないかと思っています。かの藤巻氏、かれもごりごりの市場原理主義者なのですが、現状認識の点では正しいことを仰っていると思っています、彼も同じようなことを述べておられました。リタイア組にとっては、年金・資産(そんなにあるわけじゃないですが 笑)の激しい目減りとと、世代間ギャップによる若年層との軋轢に対処を迫られる苦境になることでしょう。

昨日、民間放送のテレビを見ていたら、池上某という方が、TPPを持ち上げる議論を展開していました。TPPにも参加することになるのでしょうね。すると、医療の現在の姿は維持できなくなります。医療を受診する際の我々が支払うコストが飛躍的に増えます。これは財政破たんの面からも必至でしょう。

このようなときに、楽観的になる方がおかしいように思います。米国で実業界にいてMBAを持つ友人や、投資で生活している友人も、悲観的な感想を送ってよこします。私も浅学の身で、思い込みで書いていることも多いのですが、いろいろとご意見・ご批判を頂けると幸いです。とりあえず住むところと、食料の当てがあることで生き延びれるのかと思っています。そちらとは比較的近いですね。車で1時間半程度のところです。その内お目にかかれる機会があればと思っています。同じように感じ、考えておられる方を近くに発見できてうれしく思っています。

この一年、お元気にお過ごしください。

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