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医療訴訟は提起段階で報道すべきではない 

関節リュウマチの患者さんが、肺炎を生じて亡くなられたことに対し、遺族から損害賠償請求訴訟が起こされた。亡くなられた方のご冥福をお祈りしたい。

以下、毎日新聞の記事。


記事引用~~~

「適切な治療怠り死亡」と遺族が市を提訴、埼玉・春日部市立病院
12/12/25
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社

損賠提訴:春日部市立病院「適切な治療怠り死亡」 遺族が市を /埼玉

 春日部市立病院で昨年9月、関節リウマチの男性入院患者(当時75歳)が肺炎で死亡したのは副作用のある薬剤を使った後に適切な治療を怠ったためだなどとして、男性の妻(75)=同市在住=ら遺族3人が21日、春日部市に計約6250万円の損害賠償を求める訴えをさいたま地裁に起こした。

 訴状によると、病院は昨年3月24日から、男性にリウマチ治療薬を投与。約2カ月後に副作用の間質性肺炎を発症したのに投与を中止せず、同5月12日の入院から12日後に中止した。さらに男性が別の肺炎に感染したのに予防・治療薬投与など適切な措置をせず、死亡させたとしている。

 遺族は男性が入院中、治療について書面で2度質問したが、病院側は一方的に越谷簡易裁判所に調停を申し立てたという。原告側は「病院側が適切な説明義務を怠り、精神的苦痛を受けた」と主張している。

 病院側は提訴に「請求に理由がないことを主張、立証していく所存です」とのコメントを出した。【狩野智彦】

引用終わり~~~


亡くなられた方は75歳男性で、元来関節リューマチを患っておられたものと思われる。記事に基づき経過を箇条書きにすると・・・


2011年3月24日 抗リュウマチ薬投与開始

     5月12日 入院 入院中二度患者側から文書で質問をしたが、病院側はそれに応えずに、簡易           裁判所に調停を申し立て

     5月24日 間質性肺炎発症・抗リュウマチ薬中止 

           別な肺炎(感染生?)発症 予防・治療なし

     9月    死去  


私は、関節リュウマチは専門外なのだが、それにしても、不可思議な記事である。

入院中に患者側から、文書で質問が医療機関に寄せられたが、それに病院が答えず、裁判所に調停を申し立てた、ということがまず不可解。入院中に、医師は全く説明をしなかったとは考えにくい。患者側から病院に書面で質問が寄せられるとは、普段あまりないことだが、その内容はどのようなものだったのだろうか。病院側が、裁判所に調停を申し立てているということからすると、裁判に持ち込むという患者側の意思表示だったのではないだろうか。

間質性肺炎は、膠原病の合併症としてもしばしば経験されるが、抗リュウマチ薬の副作用でも生じうる。どうだったのか、この経過では分からない。少なくとも、間接性肺炎が判明した時点ですぐに、抗リュウマチ薬投与を止めている。

最終的に死因になったのは、「別な」肺炎のようだが、その詳細が分からない。だが、関節リュウマチで自体、さらに治療薬によって免疫抑制状態になるから、感染性の肺炎が起き、不幸な経過をとることも十分あり得る。残念ながら、膠原病の自然経過としてありうることだ。

この記事からは、頭が混乱させられるばかりだ。

以前から、しばしば言っていることだが、裁判が提起された時点で、原告側の主張だけをこのように報道するのは、控えるべきではないだろうか。この記事には、医学的な意味はない。むしろ、医療機関が何やら「へま」をしたという先走った印象を、国民に与えるだけになる。医療機関はさらに防衛医療に徹することになってしまう。患者側にも、医療側にとっても不幸なことだ。

この記事は、毎日新聞から引用した。

コメント

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Re: 関節リウマチと診断されて

Mさん

仰られる通りですね。医師患者関係が信頼に基づくものであって欲しいと切実に思います。おだいじになさってください。良い新年をお迎えください。

ありがとうございました。

ご返信ありがとうございました。

来年はより良い年になりますよう、健康で、好きなことに励んでできますよう祈る気持ちです。

JA1NUTさんも良い新年をお迎えください。

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