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対テロ戦争へ加担すべきではない 

Bruce K6ZB に用件があり、三が日を過ぎたころメールした。それへの手短な返信が彼からあったのが今月8日だった。それには、当日パリに着いたばかりで明日チャドに向かうとあった。勿論、ビジネスの旅行なのだろうが、アフリカにまで足を延ばす行動力に改めて驚かされた。

で、その直後に、フランス軍のマリ侵攻、そして痛ましいアルジェリアでの日本人を含む人質殺害事件が続いた。アフリカから帰国したばかりのBruceに様子を尋ねると、帰国便が飛ぶかどうかが心配だったが、それ以外は問題なかったとのこと。チャドでも有望な油田が見つかり、石油メージャーのエクソンが採掘していること、カメルーンへの1000kmに及ぶパイプラインが敷設され、今のところ順調に稼働していると教えてくれた。エクソンは、現地の人々を多数雇い入れ、それで現地経済が潤っているようだ、とのことだった。

しかし、北アフリカの政情について少し調べてみると、石油ガス・ウラン等の資源をめぐる利権を求める欧米先進国(日本も例外ではない)、トゥアレグ族というマリ北部の原住民、それに北アフリカ一帯をイスラム圏として宗教国家化しようとする急進派・穏健派勢力、それに現在の各国政権が複雑に入り組んで、覇権を争っている構図が見えてくる。フランスのマリ侵攻は、現政権から依頼され、テロリストを抑え込むためとされているが、決してそれだけではない。

日本人技術者が犠牲になったことは痛恨の極みだ。彼らを殺害した一派は許されざることだと思うが、この事件を単にテロリストによる残虐な人質殺害事件として「だけ」捉えると、それへの対処を誤るように思える。エネルギー資源の利権を求めるメージャーとその背後の国家が一方的に流す報道・図式には一応疑問符をつけてみるべきではないかと感じる。わが国の政府は、この事件から、自衛隊の国外派遣と、対テロ戦争への関与を導き出そうとしているように見える。「テロとの戦い」というと、あのブッシュの言葉を思い出す。その戦いを口実にして、中東に軍事的な侵攻を行い、イラクやアフガンで絶望的な泥沼状態を作り出したのが、ブッシュだった。勿論、9・11への報復という理由はあったのだろうが、侵攻には、それだけではなく、石油利権等が絡んでいることは明白だ。そうした、戦争に積極的にかかわるべきではない。

むしろ、北アフリカ情勢のしっかりした現状認識と、フランス軍のマリ侵攻をきっかけにして情勢が流動化するだろうことを読み解く能力が、国と当該民間企業に欠けていたのではなかっただろうか。Bruceの比較的楽観的な現状認識が、チャドでは真実であり、戦火がそこまで及ばないと良いのだがと思いながら、彼との交信を終えた。北アフリカが遥かかなたの地のことと考えるべきではないのだろう。

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