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スキマー・RBNについて 

アマチュア無線の世界で、スキマーや、RBN、さらに広く言えば、クラスター等の技術が、多くの方に利用されている。自分の活動が、リアルタイムで他のハムに自分の知らないうちに伝わる、というだけのことだが、何か名状しがたい違和感を、これらの技術に感じてきた。

QRZ.comでJim W6YAが自己紹介をする文章に、「スキマーは、自分の無線人生のなかで最悪のものだ。いわば、スポーツ界で使われるアナボリックステロイドみたいなものだ。」と書いてあるのをみて、思わず笑ってしまったのだが、ちょっと時間が経ち、本当にそうだなと相槌を打ったのだった。

Jimも感じているであろう違和感の正体は何かとしばらく考えてきた。そうした技術(代表としてスキマーとしておこう・・・クラスターは少し違うが、アップされる側としては本質は変わらない)は、ワッチする手間を省かせ、どの局がどこに出ているかをリアルタイムで教えてくれる。それは、バンドが開けているかどうかのチェックにも使える。便利ではないか。現代技術の恩恵そのものではないか。いや、アップされる方は、自分の行動が監視されているように感じる。RBNで私のことをいつもワッチしているという友人が実際にいるのだ。別に、彼に不都合なことを話しているわけではないが、何か検閲されているような気になるのだ。また、アップされた情報を利用している局も、結局、自らの経験と技術で、自らワッチし、パスが開け、貴重な相手が入感するのを自分で見つける楽しみを奪われるのである。

こうした事態を抽象化していえば、自由の喪失ということになるのではないだろうか。スキマーに依存すると便利さと引き換えに、偶然から生まれる楽しみが無くなる、または少なくともそれが減弱させられるのだ。偶然とは受け身のことでは、文字通り予期されないことを経験することという意味もある。が、アマチュア無線での偶然の楽しみとは、より積極的に経験と技術を総動員して、希望する交信を成立させること、気に入った相手と交信を続けることだろう。ここで、偶然と我々が感じることは、自らの意思でものごとを選択しうる自由さなのだ。アマチュア無線の楽しみの大きな部分は、この自由さにあるのではないだろうか。ところが、スキマーは、それを限りなくゼロにする。残すは、大きな設備を競って、競争するか、得られた情報で相手のことをストーキング(言いすぎか?)することだけだ。

短波帯の無線はすでに古臭い過去の通信手段で、アマチュア無線は、それによってのんびりリアルな関係を築くことを、大きな楽しみにしている。その楽しみを担保するのは、自由さだ。スキマーが、自由さを阻害するものだとしたら、アマチュア無線にとって必要な技術なのかどうか疑問に感じざるをえない。大勢は変わらないのだろうと思うが・・・スキマーがすでに存在することは事実だし、多くのハムが、それを利用し続けることだろう。時間を逆戻りさせるわけにはいかないのだ。

Jimがスキマーを嫌う論旨は、その登場によって、コンテストの個人的な経験・技術を競うことがなくなってしまったという点にあることを付言しておこう。ここでも自由さが阻害され、設備という必然性によってコンテスト結果が左右されることを、Jimは敏感に感じているのだろうと思う。

コメント

自由さが担保。同感です。といいつつ、ついついPCに向かいFBやブログのコメントに時間を割いてしまうのは不本意なのですが。。

日本でこういう議論が熱心になされないのはどうしてなのでしょうか?みなさん肯定派だから?そもそも関心がない?

RBNとCW Skimmerについて調べてみました。CW SkimmerはSDRを使って各バンドのCWを表示するツールで、どの周波数に誰がでているのかリアルタイムで表示されるのでW6YAが言っている通りワッチしなくてもクリックするだけなのでゲーム感覚そのものの感じです。RBNは世界中に配置された局(ボランティアでしょうか?)が自分の受信できる周波数(バンド)を受信してSNやWPMそれに周波数を表示するので出ている局がいないときなどにバンドがどこに開いているのか分かるのでその使い方であればいいように思います。 誰かがいつどこでCQを出したか調べている人はいずれ飽きてしまうと思います。CW Skimmerのソフトは、言ってみればスペアナに各信号の中身(コールや信号強度)分析機能をつけたもので、これを使い出したらワッチなどしなくなるでしょうね。はまったら短波のQSBやかすかすの信号をワッチする楽しみがなくなるのは間違いなしです
。遠慮しますHI。

Manabuさん

こんなどうでも良い理屈をこねる人間は少数派ということなのでしょう。でも、おもしろいですね、偶然と必然の相克があるような気がします。もっとも、哲学・心理学の世界では、人間の自由意思というもの自体が、だいぶ怪しいという議論もあるようですが。

likeボタンはあまり押しませんが、いつもf/bへの貴兄のポストを楽しませて頂いております。

Takaさん

まぁ、RBNでCONDXの把握がすぐにできるというメリットはありますが、でもそれも無線をつまらなくしているなと思いますね。バンドが開いていないと、CQ出すのをすぐやめちゃう、すると近場の知り合いが、呼んできてくれる可能性がなくなってしまうとか・・・RBNが指し示す必然によって動いていると、たのしみが減りそうですが、どんなものでしょうか。いろいろ試して、予期せぬパスを見つけるとか、たのしみがいろいろあるはずだと思うのですがね。

KF3Bが、RBN肯定論のメールをくれたので、少し考えをまとめて、英文ブログにアップしようかと思っています。

話しが変わりますが、SteveとJack両ご夫妻が来日する予定は、来年のようですね。

RBNは北米には結構Skimmerがいるのですが、それでもたいした数ではないので、その他はごくわずかです。場所によってコンデションはずいぶんと異なるはずなので、参考程度と思っています。 そんなわけで、最近はほとんど使わなくなりました。 が、何も聞こえないときに見る程度です。やはり自分で良くワッチし、特に弱い信号を聞くのはスリル?があり、アンテナを含めた受信系の改善や自分の耳のグレードアップをどうするかを考えるのは楽しいです。

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