FC2ブログ

インフレはコントロール可能か?必要なのか? 

私は、毎日ないし二三日おきに、夕方スーパーに買い物にでかける。夕飯の食材を手に入れるためだ。最近は、外に出かけることが少なくなったので、この買い物が息抜きのようになっている。そういえば、亡父も同じだったと苦笑する・・・。で、今月に入ってすぐ、スーパーに出かけて、驚いた。パンや、油等々が、しっかり値上がりしているのだ。ガソリン価格の高止まり、それに今月から始まる電気料金の値上げも加わり、一斉の値上げが始まったようだ。

昨秋以来の、量的緩和の積み上げによるインフレの誘導、およびそのアナウンスの効果なのだろう。上記政策が、円安を生じさせ、輸入価格全般を上げる。さらに、エネルギー価格も上がり、それが全体に波及する、というシナリオだ。値上がりにより、企業に金が入り、それによって労働者の給与も上がる。そうして金が世の中に回り始める、と政府は繰り返し説明している。農業と医療を成長の柱に据える積りらしい・・・折しも、TPPでこの二つの業種は滅茶苦茶になることだろう。

このシナリオがどのような結末を迎えるのだろうか。春闘では、賃金が大企業を中心として多少上がったようだが、この政策でメリットを得ているのは、輸出企業、とくに自動車産業と、公共事業の業種だけのようだ。設備投資は冷え切ったままだし、中小企業は厳しい状況が続いている。輸出企業に利益を上げさせて、それが全体に回るか。恐らく、否だろう。グローバリズムのなかで経営を続けるために、輸出企業は、内部留保を貯めこんでいる。輸出企業以外もそうだ。この10年間、非正規雇用化を進め、賃金を下げ続けてきた。彼らが、ここで増えた利益を労働者側に回すことは考えにくい。

また、公共事業は、自民党政権時代から幾度となく繰り返されてきて、その乗数効果が少ないこと、景気浮揚効果があったとしても短期間しか続かないことはよく分かっている。公共事業での景気浮揚等は絵に描いた餅なのだ。

これまで長期間続いてきたデフレは、国内需要の低迷による。それを改善しない限り、経済は回らない。政府は、この政策を続ければ、やがて市中に金が回り始め、景気が回復するという。しかし、ここで「悪しき」インフレが進行すれば、需要の回復など望めない。

日銀のトップに座った、所謂リフレ派の方々には、インフレはいざとなればコントロールできる、という思いがあるのだろう。はたして、そうだろうか。猪木武徳著「経済学に何ができるか」に、リフレ派のインフレ観に強い警告を発する文章がある。所謂、市場経済を第一に考える経済学では、インフレを人為的にコントロール可能であると考えるが、現実はそうはいかない、という。一つは、貨幣には準貨幣と呼ぶべきものがあり、社会に出回る貨幣の量を金融政策によってコントロールすることは困難なのだ。さらに、ハイエクの考えを引用して、インフレを人為的に招来させた場合、インフレ率を加速することが必要になる、という。また社会心理学的に、「自己実現的期待」によって、将来インフレが進行することを人々が想定することで、インフレが加速する。それをコントロールすることは難しい、ということだ。

リフレ派の言う通りに、インフレが都合よくコントロールでき、それによってデフレから脱却することができるのだろうか。

もっと根本的に言えば、我々は経済的な量的発展をさらに期待し、それに向かって突き進むべきなのだろうか。

コメント

単純に考えても、円安で輸入材アップした会社が値上げしてもアップ分を吸収できるだけでその会社で働く人の給料は増えません。輸出で稼ぐ会社も輸入材を使っていればその分アップし、また電気料金アップなどもあるので、賃金アップにつながるかは疑問ですね。原油算出量も頭打ちになってきている=原油価格アップになる恐れもあるのでその時はどうなるのか、アメリカのシェールガスやオイルが助けてくれるのでしょうか?

金が社会にもっと流通するようになり、経済が活性化される、という触れ込みなのでしょうが、難しそうですね。過去30年間、日本経済は徐々に右肩下がりでしたから、この緩徐なデフレ傾向は、変えられないのではないかと思います。それを無理やり、インフレにしようとしても、インフレの悪い側面ばかりが出てきてしまいますね。

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://nuttycellist.blog77.fc2.com/tb.php/2855-a238c0ea