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シュタルケル逝く 

ヤーノシュ シュタルケルが亡くなったことを新聞記事で今日知った。


シュタルケルは、学生時代に「ブラームスのチェロソナタ1番」の演奏で知った。鬱屈した気分の満ちたこの曲を、若々しい情熱で弾く演奏だと思った。カミソリのような切れ味のボーイング。正確無比の演奏技術。何時かは彼に近づけるようにと大それたことを考えていた・・・大学時代、寮で良く聞いたものだった。

ハンガリー系のアメリカ人。ユダヤ系で兄二人はナチズムの犠牲になったらしい。才能には恵まれていたのだろうが、苦労なさってあの名声を築き上げられたのだろう。堤剛の師匠でもある。日本のコンクールで優勝し勇んで米国に留学した堤が、暮ども暮せども音階練習ばかりシュタルケルに命じられた話が記憶に残っている。難曲をそれと感じさせずにすらすらと弾くシュタルケルの技術は、そうした努力の積み重ねから生れたのだろう。でも、あの自由で軽やかなボーイングによるフレージングはやはり天才的なものだったと思う。


また、一つの時代が私にとって終わった。

ご冥福をお祈りしたい。


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