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マイナンバー法の危うさ 

国民全員に背番号をつける制度が始まるようだ。基本的に、納税・年金制度に限って言えば、この制度を取り入れる意味はあるのかもしれない。ただし、その前提は、個人情報保護をしっかりすること、それにこのデータを目的外に用いることを厳に禁じることだ。

社会保険庁時代に、個人情報が粗末に扱われ、さらに「消えた年金」の一部は業務上横領であった可能性も取りざたされていた。社会保険庁が組織上消滅するのと同時に、それらの問題もうやむやにされてしまった。現在の日本年金機構になってから、スタッフの応対は表面上大分改善されたが、その実態はこれまで通り国民に不親切であることを、私も経験したし、同じような経験をした方の話を幾つか耳にしている。特殊法人化されて表面は変わったが、中身は変化していない印象がある。ハローワーク等では非正規雇用のスタッフが多いようだが、日本年金機構でも同じなのではないだろうか。旧態依然の体質と、非正規雇用のスタッフでは、個人情報がいい加減に扱われるのではないかと心配になる。

実際、下記の記事にもある通り、個人情報の漏えいによって、成りすまし犯罪が米国では多発しているらしい。これだけ大規模のデータベースが、多くのスタッフによって扱われるのだから、個人情報漏えいの危険は大きい。ましてや、米国のように民間で様々な用途に用いられるとすると、リスクは極めて大きくなる。

また、自民党改憲案にもある通り、近い将来、国家が国民を管理する姿勢が強まり、この背番号が管理の手段として、用いられる可能性もあるのではないだろうか。わが国は、行政が無謬であり、国民は知らしめず、依らしむべし、という行政が国民の上に立つ社会だ。この個人情報を、国民に知らせずに国民の管理に用いる、またはほかの用途に用いる犯罪的行為を、どうやって予防するのだろうか。思想的管理、健康情報の管理等々のために、公安や、民間会社に個人情報が流されることを想像すると、ぞっとする。

現在のままの行政組織では、この法律の運用は心もとない。



以下、引用~~~

マイナンバー法 成立 なりすまし被害懸念 第三者委で監視


2013年5月25日 朝刊


 国民一人一人に番号を割り振り、年金や納税に関する情報を一元的に管理するマイナンバー法が二十四日の参院本会議で可決、成立した。仕組みや問題点を整理した。


 Q マイナンバーとは。


 A 赤ちゃんからお年寄りまで全ての国民に割り振られる個人番号だ。二〇一五年秋ごろから番号を通知する書類が郵送で配られ、一六年一月から利用が始まる。


 Q 受け取った人はどう使うのか。


 A 自治体に申請すると氏名や住所、生年月日、顔写真、個人番号が記載されたICカードが交付される。カードは社会保障給付の申請や税金申告の際に、年金事務所や税務署などの窓口で提示して利用できる。


 Q 現在の手続きから変わる点は。


 A 例えば年金の加算を受けようとする場合、窓口で個人番号を示すとシステム上で必要な情報を照会して受給条件を満たしているかを確認できるようになる。申請する人が住民票や所得証明書の添付書類を持っていく必要がなくなり、手続きが簡単になる。


 Q 所得の把握が進むとの指摘もあるが。


 A 扶養控除の二重申請を防ぐなど一定の効果はある。だが自営業者が申告する売上高や経費が適正かをチェックすることはできず、会社員と比べ、農家や自営業者は所得が捕捉されにくいという徴税の不公平感の是正は期待できない。


 Q 管理される個人情報を自分で見ることはできるか。


 A できる。政府は一七年から、自分の年金や医療の保険料の納付状況や、税金の申告に関する情報を自宅のパソコンで確認できる個人用ホームページ「マイ・ポータル」を開設する予定だ。


 Q 個人情報の流出や悪用が心配だ。


 A 社会保障や納税の情報は他人に知られたくない秘匿性の高いものが多く、いったん外部に漏れれば被害者は深刻なプライバシー侵害にさらされる恐れがある。他人の個人番号を盗んで政府から給付金をだまし取ったり、銀行口座を不正に開設する「なりすまし」犯罪が増える懸念も指摘されている。


 Q 対策は。


 A 政府は情報を取り出せる立場にいる行政職員らに対し、独立性の高い第三者委員会で監視し、違反者には罰則を科すことで漏えいを防ぎたい考えだ。

◆不正利用、番号大量流出も


 一人一人の税務情報などを管理する番号制度は、欧米などで既に導入されているが、米国では他人の共通番号を入手して偽のクレジットカードをつくる不正利用の被害が続発、韓国では番号の大量流出が起きている。

▼米国


 米国では労働許可を持つ在留外国人を含む全国民を対象に、広く共通番号が使われている。本来は年金など社会保障制度や徴税で個人を特定するのが目的だったが、国民に行き渡った結果、身分証明の用途で広く民間利用されるようになった。番号を持たないと、銀行口座の開設やクレジットカードの発行、就労や不動産契約が難しくなる。ただ、不正利用が後を絶たないため、オンライン上での送信の制限など、現在は身分証明としての番号使用の規制を強化する方向に進んでいる。

▼韓国


 韓国では国内に居住する全国民を対象に、生年月日や性別などを示す「住民登録番号」を割り当て、税務や年金、医療などほぼ全ての行政サービスで使用している。


 住民登録番号は一九六八年に導入された。民間でも本人確認などの目的で本人の同意を得て番号を利用していたが、インターネットでの利用拡大に伴い番号の流出が問題化。二〇一一年には韓国最大手の会員制交流サイト(SNS)がハッキングされ、約三千五百万人分の番号が流出する事件が起きた。政府はオンラインでの番号利用を法的根拠がない限り禁止している。

▼ドイツ


 ドイツは税分野に限定した制度を導入。外国人を含め全ての居住者が対象。年金など他の行政分野と共通の番号制度は採用されておらず、民間利用は認められていない。


 利用範囲拡大の議論は進んでいない。ナチスがユダヤ人に番号を割り当てていた歴史的な経緯から、国家による個人の管理強化につながる政策に国民が慎重なためだともいわれる。


  (共同)

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