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今も続く危機 

東電福島第一原発に、地下水が侵入し、毎日400トンの汚染水を生じている。それをタンクに詰めてしのいできた。そのタンクを作るスペースも残り少ない。さらに、地下水脈を通して、海に汚染水が流れ出している。それを食い止めるために、海との境の土を固化した。すると、地下水の水位が上昇し始めたと、今朝の新聞に報じられていた。あと3週間ほどで、地下水が地表に溢れだす予測らしい。

すると、原発地表全面が今まで以上に汚染され、さらに汚染水にまみれて廃炉作業を進めなくてはならなくなる。また、地表を伝わるより多くの汚染水が海に流れ出すことになるのではないだろうか。原発の廃炉は遅れても仕方ないかもしれないが、汚染が進むと、炉の冷却が十分できなくなる恐れがある。冷却ができなくなると、核燃料が露出、高温となり、核燃料とコンクリートとの相互反応から莫大な放射性物質放出を生じる可能性がある。保管されている4000本以上の使用済み核燃料が、そのような状態になると、半径250kmの地域で避難が必要になる。そうした予測が、事故直後、原子力委員会委員長によってなされている。東北、関東のほぼ全域が、避難の対象になる。一旦、そのような事態になれば、住んでいた地域に数十年以上戻ることはできない。そうなると、実際上、日本という国家の存亡がかかってくる。そのリスクは、まだ隣り合わせにあるのだ。危機を煽るつもりは毛頭ないが、これが実相なのではあるまいか。

以前、廃炉への工程表が公表され、それにそって順調に廃炉が進んでいるかのように政府は公表していたが、それは大きな間違いである。地下水が汚染を拡大し、それによって海がさらに汚染されるという汚染の拡大の構図が明らかになって来た。メルトダウンが起きた時点で、これは予測されたことでもある。2011年暮れに、この事故の終結を宣言した、時の野田首相には責任がある。

自民党が野党であったときに、事故当時の菅政権、菅首相をあたかも事故を起こした、または拡大させた張本人であるかのように非難していた。いわく、事故直後菅首相が現場に飛んだことにより、混乱を助長した、また海水の注入を官邸が遅らせた云々である。それらは、故意に流されたデマか、少なくとも、現場と官邸・対策本部との意思疎通がうまく機能していなかったことによる。重大事故が起きることが想定されておらず、起きた際の連絡・対処の方法・システムが準備されておらず、それに必要な専門家がいなかったことが根本的な問題だ。原発安全神話に乗って、毎年一基から二基の原発を作り続けてきた、そして重大事故を見据えた備えをしてこなかったのは、自民党政権だったのではないのか。

現政権は、「安全第一に」他の原発の再稼働を進める意向のようだ。まるで、福島で今進行しつつある危機は、他の原発の稼働とは別な物事であるかのようだ。安全を第一に、というスローガンが空しい。彼らは、これまでの原発政策の責任を全く感じていないようだ。東電福島第一原発の事故の延長に、第二、第三の事故は起きうる。上に述べたように、廃炉への道筋は全くついていない。むしろ汚染の拡大はこれから進みそうな気配だ。すでに、東電には3兆円程の公的資金が投入されている。原発周囲の方々への補償は、これからで、また廃炉作業は全く先が見えないのに、である。汚染の拡大と、廃炉費用負担は、これからも国民に重くのしかかる。この事故を政争の具として扱い、自らの取ってきた原発政策への反省が全く見られぬ自民党に、これからの廃炉に向けた作業が担えるか、大きな疑問だ。

今行うべきことは二つ

汚染拡大作業・廃炉作業に国を挙げて注力すること

他の原子炉の再稼働は止める、廃炉にすること

国の進むべき方向を誤らせた、このような施策がなぜ是正されることがなかったのかも、是非国民が考えるべきことなのだろう。

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