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「幸せな国」 

下記のニュースのソースは、コロンビア大学から公表された研究成果だ。英文ブログの方に、その原典をリンクさせてある。原典は、長大な報告なので全部読み切っていないのだが、経済的な豊かさだけで幸せになれないこと、だが、富の偏在も問題であることが、研究の基調としてあるように思える。

この報告で「幸せな国」の上位に挙げられている国々は、国民負担が大きいことで知られている。しかし、それなのに、国民の感じる幸せ度が高いのはなぜなのか?

以前にも引用紹介した、井手英策著「日本財政 転換の指針」(岩波新書)に、その理由が明快に示されている。この本は、日本社会の置かれた状況、それがどうして生じたのか、さらに政治はどうしてそれに対処できないのか、という点を、明示してくれる。人がよりよく生きるための財政はどのようにあるべきか、という観点から、国家財政の在り方を示してくれている。理路整然として内容の背後に、著者が自分の専門を通して、社会を改革したいという熱い思いが伝わってくる。

その要点を、かなり端折って記すと・・・

幸せな国民は、租税などの負担も大きいが、公的な受益も大きいのだ。それによって、高負担による、政府・行政への反発が強く起きることがない。さらに、経済的弱者への再配分についても、受益をきちんと受けている中間層は否定することがない。いわば、社会的な信頼が国民の間に維持されている社会なのだ。

日本では、高度経済成長期までは、公共事業・公共投資によって、国民の福祉も充足されてきたが、その土建国家のスキームは、1980年代以降成立しがたくなっている。しかし、社会的信頼を欠く社会にあって、増税を行えず、国債発行・財政投融資によって、経済を刺激し続けてきた。その結果が、現在の財政破たん寸前の状況だ。土建国家体制は、国民の雇用を確保し、さらに政治的な安定をもたらしたが、すでに破綻している。驚くべきことに、1981年以降、減税は繰り返されたが、増税は一度も行われていない。消費税導入時も、所得税・法人税の減税を同時に行われたので、増税にならなかった。

社会的な信頼を国民が持てるような税体系を施行すべきだ。中間層を受益者としつつ、低所得層への再配分にも目を配ることだ。恥ずべき暴露を伴うターゲッティズムを最小化しつつ、全体が負担をするユニバーサリズムに置き換えてゆくべきだ。生存を保障する制度は、保険ではなく、租税に基づいた制度にすべきだ。

といったことか・・・。ご一読を強くお勧めしたい。

来春からの消費税増税時、法人税増税を同時に行うことも経済界が主張しているようだが、それでは、これまでの路線と同じになってしまう。法人税に加えて、(大)企業の負担する社会保障の企業負担を考慮すれば、日本の企業の公的負担はOECD平均を下回る。現政権の立ち位置、方向性が、税金のこの扱いではっきりすることだろう。

面白いことに、新自由主義経済の牙城である、米国も「幸せの国」ランキングでは下の方に位置する。この報告について、英語ブログに記したら、新自由主義を奉じる米国の友人が、反論として、一位のデンマークでは有為な人々が国外に出て行ってしまっているではないか、とコメントしてきた。日頃、そうした反論に対して、私はあまり強く言わないのだが、今回ばかりは、すこしびしっと反反論した。

さて、日本という国が、「幸せな国」に変わるように、次の世代が幸せな人生を送れるように、我々は何をすべきだろうか。


以下、引用~~~


「幸せな国」番付、トップ5は欧州が独占 日本は43位

CNN.co.jp 9月10日(火)11時52分配信

(CNN) 世界各国の国民が日々の暮らしに満足し、幸せを感じているかどうかを調査した新たな報告書が発表され、ランキング首位のデンマークをはじめ、欧州北部の5カ国が上位を独占した。

報告書は米コロンビア大学地球研究所が9日、昨年に続く第2弾として発表した。世界156カ国で2010~12年に調査を実施し、国民の幸福度を10段階で示した。

それによると、上位5カ国はデンマークに続いてノルウェー、スイス、オランダ、スウェーデン。これにカナダ(6位)、オーストラリア(10位)、イスラエル(11位)、アラブ首長国連邦(14位)、メキシコ(16位)などが続き、米国は17位だった。

そのほかの主要国では英国が22位、ドイツ26位、日本43位。ロシアは68位、中国は93位だった。

幸福度が最も低い5カ国はルワンダ、ブルンジ、中央アフリカ、ベナン、トーゴと、アフリカのサハラ砂漠以南に集中している。

幸福度の世界平均は過去5年間でわずかに上昇したものの、経済的、政治的問題を抱える国で下落が目立った。

下落幅が最も大きかったのはエジプトで、07年の5.4から12年には4.3まで下がった。また、ユーロ圏債務危機の影響でギリシャやイタリア、ポルトガル、スペインが順位を下げた。
反対に中南米やアフリカ諸国では上昇が目立った。上昇幅が大きいのはアンゴラ、ジンバブエ、アルバニアの各国だった。

報告書は国民が不幸を感じる要因として貧困や失業、家庭崩壊、身体疾患などを挙げたうえで、特に大きな影響を及ぼしているのは慢性的な精神疾患だと指摘。各国政府による取り組みを促している。



上位10カ国は以下の通り。

1.デンマーク
2.ノルウェー
3.スイス
4.オランダ
5.スウェーデン
6.カナダ
7.フィンランド
8.オーストリア
9.アイスランド
10.オーストラリア

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