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消費税増税分が法人税の財源にされる 

来春から消費税増税が行われることはほぼ確実になったようだ。それに伴い、経済界は、法人税を引き下げを主張している。政府は復興財源のための企業の税負担を前倒しでなくし、さらに設備投資減税を実施するつもりらしい。安倍首相は、法人税本体の減税にも強い意欲を持っていると報じられている。

消費税増税分のかなりの部分が、企業への減税の財源に回されそうな気配だ。これでは、何のための消費税増税になるのだろうか。

企業は、小泉構造改革により、内部留保を280兆円ため込んでいる。その内部留保を使って設備投資をしてもらおうという、政府の目論見だそうだ。が、需要が減少しつつある日本経済にあって積極的な設備投資をする意味があるのだろうか。問題は供給側ではなく、需要の減少にある。法人税減税に伴い、企業が何に資金を用いるか、政府税調専門家委員会資料では、内部留保の積み増しと借入金の返済に当てると答えた企業が、それぞれ25.6%、16.8%だったそうだ(井手英策著「日本財政 転換の指針」)。給与増額を上げたのは15.5%だった。企業は、国内での需要減を見込んで、内部留保を増やすことに専念するのだろう。設備投資には回らない。小泉構造改革の時代に、内部留保の積み増しと並行して行われたのが、従業員給与の引き下げと、非正規雇用の増加という労働形態の不安定化だった。

企業減税が行われても、企業はこれまで通り、内部留保の積み増しを行うことは明らかである。内部留保は、株主配当闘によって、一部の富裕層へ還流されるのみだ。企業減税が、経済刺激策になるというのは、大きな誤りだ。

そもそも、企業の公的負担(法人税と社会保障量事業主負担を合わせたもの)について国際比較すると、日本はOECD参加国の平均を下回っている(出所は上記の著作)。法人税は確かにやや高めであるが、社会保障料事業主負担が、主な先進国に格段に少ないのだ。法人税だけを取り上げて、国際的にみて高すぎるというのは、企業側の論理でしかない。

高齢化、人口減少社会にあって、これまでの土建国家のスキームでは、国が成り立ち行かない。税制度の変革は、国の形を変えるための方策だったはずだが、現政権の行おうとしていることは、これまでの延長でしかない。現政府は、法人税減税に消費税を回し、公共事業のために国債を刷りまくり、その一方、社会保障のための費用は、自然増を抑制する意向だ。国民の負担を増やし、受益も確実に実現することによって、社会の信頼を増すこと、安心をもたらすことこそが、政府の行うべきことなのではないのか。

国民は政府に否というべきなのだが、その声はあまり聞こえない。

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