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Bob W7BV 再び 

7メガが、夕方めっきり静かになってきた。雷のノイズが減っているためだ。先日、日が沈むころ、その7メガでCQを出した。普段は応答がないのが普通なのだが、その時は、Bob W7BVが呼んでくれた。あちらの時刻は午前1時半。目が覚めてしまい、眠れないので、無線機のスイッチを入れたということだ。

彼は、本来この時期大阪で行われる学会に招待されて、日本に来ることになっていたそうだ。私にも連絡しようとしていた矢先、家族の問題が生じて、キャンセルをせざるをえなくなったとのことだ。彼は、リタイアしてもう2年位経つのではなかったか。また、ライフワークにしていた、肝臓の構造を調べる研究に実際に携わらなくなって、それ以上経つのではないだろうか。それなのに、まだこうして学会にお呼びがかかるのは素晴らしいことだ、と申し上げた。

実際に実験に手を染めなくなってから時間が経つが、今でも、日本、オーストラリア、ノールウェイそれに国内の施設から研究の助言を求められることが度々あるのだ、と彼は言っていた。学問的な業績、それに彼の教室で研究をした研究者から慕われてのことなのだろう。素晴らしいことだ、とp改めて申し上げた。

以前にも彼に同じことを愚痴ったことがあったのだが、私も免疫の分野で研究を続けたかった、研究者の端くれに連なりたかったとまた彼に言った。すると、彼は臨床の仕事をして患者さんに相対したかったと、思いがけぬことを言ってきた。考えてみるに、これは、彼の本心だったのだろうが、一方、人生の終わりに差し掛かって、夢を達成できなかったという思いは、だれにでもあるものだ、と私に諭したかったのかもしれない。彼は、そうとはあからさまに言わなかったが、人生を終えようとするときに、自らの人生を送れたことに感謝すべきなのではないかと言いたかったのかもしれない。

最近、私がかってお世話になった慶応大学の須田教授の研究業績をざっと読ませて頂いたことがあった。血液幹細胞の分化を決定づける因子としてのニッチ(昔、微小環境といっていたものか)にかかわる研究を進められたようだ。また、幹細胞は、嫌気的な解糖系をエネルギー源としていることも明らかにされたらしい。それを思い出して、肝臓では幹細胞はどうなっているのかをBobに尋ねた。肝臓でも幹細胞はあり、ニッチが重要な役割をしていること、また免疫系も関与することを教えてくれた。この話題になると、俄然目がさえた様子だったことに接し、彼はやはり研究者だったのだなと改めて感じた。この幹細胞の話題は、当然悪性腫瘍の根本的な特徴にもかかわることで、自らを複製し続け、さらに機能的に分化するという二面的な性格を持つ幹細胞の重要性が注目されていることを改めて知った。

Bobには、また日本に来る機会も近いうちにあるだろうから、また我が家を訪れてもらいたいと申し上げた。彼はぜひそうしたいと言って、ベッドに戻って行った。交信を終えたときには、こちらもとっぷりと日が暮れていた。

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