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まずは医師不足の解決から 

以前にも取り上げた、茨城県県西地区(桜川市、筑西市)の新しい病院建設のお話。どうやら、暗礁に乗り上げているらしい。

もともと、この病院建設の話が出てきたのは、東日本大震災被災地である茨城県に対し地域医療再生臨時特例交付金が交付される、だったら病院を建てようというのが発端だった。

ところが、二病院の合併の仕方、新病院の建設場所を巡って、両地方自治体間で紛糾。どうやら、上記基金ではなく、通常の地域医療再生基金を用いることしかできなくなり、さらに、それも時限切れの様子。

筑西市民病院は、元々大赤字で、医師がどんどんいなくなっていた。県西病院も程度の差こそあれ同じような状況の様子。まず両病院ともに、医師不足であったわけだ。それを解決しないでおいて、行政は、立派な大病院を建ててしまえば、医師は自ずからぞくぞくと集まる、または大学医局が医師派遣を積極的に行うと踏んでいるようだ。

それは不可能であることは、他の様々な地域の新しい地方自治体立病院の経緯が示している。行政は、まず医師が集まる、研修・医療労働環境を作るべきなのだ。そうした上で、二病院を発展的解消をし、新しい病院を作るなら、話は分かる。が、順序が逆である。

地域住民の声も下記の記事で取り上げられているが、両地域ともに、救急車であれば、つくば市内の基幹病院、自治医大には30分前後でつくのではないだろうか。三次救急まで備えた中核病院が、本当に必要なのかどうかも、地域住民はよく考える必要がある。

結局、行政は、病院建設という利権を誘導したいだけなのではないか。国の補助がなくなっても、建設の話が出たからには、なんとか実現させたいということのようだ。で、出来上がるのは、医師不足で機能しない、豪華な新病院、それに建設費用という莫大な負債である。その結果に対して、現在の行政は責任を取らない。


以下、引用~~~


医師が来てくれる病院として新中核病院


【茨城】進まぬ新中核病院計画

記事:読売新聞
13/10/04


 桜川市長選は6日告示、13日に投開票される。市政最大の懸案は、桜川市の県西総合病院と筑西市民病院を再編統合して作るはずだった新中核病院の扱いだ。両市は建設地などを巡り反目し合い、計画は宙に浮いたままだ。だが、高度医療に対応できる病院の建設は、危機的な地域医療体制の改善に欠かせない。(田坂誠)

 9月21日夜、桜川市羽田の大和中央公民館で、「地域医療を考える桜川市民の会」の集いが開かれた。代表の皆川哲郎さん(67)ら約25人のメンバーは新中核病院の建設を目指す。皆川さんは白血病を患い、地域医療充実への思いは切実だ。

 市内の女性会員(63)は2009年、58歳だった夫を脳内出血で亡くした。倒れてから5分で救急車に乗ったが、つくば市の病院まで1時間20分もかかった。「もっと早く治療すれば助かったかもしれない」。高度医療に対応できる病院が身近に必要だと訴えた。

     ◇

 今年1月、仲介に入った県は、〈1〉再編統合の枠組みは両市の公立病院と民間病院の3者〈2〉建設場所は筑西市竹島地区にこだわらない――などを提示、いったんは両市も協議再開に合意した。

 だが、4月、筑西市長に初当選した須藤茂市長は、桜川市の中田裕市長も同意したとして両市による「建設推進会議」での協議開始を求めた。中田市長は、県が示した条件で市議会の了承を得ていたため「会議」に不参加を表明。両市は協議の場につくことすらできなかった。

 筑西市側は7月、再編統合による新中核病院の建設断念を表明。既存の病院で高度医療の機能を分担する案を示した。

     ◇

 桜川市ではJR水戸線岩瀬駅近くにある県西総合病院が医療の中心だ。内科、外科など11診療科があるが、医師不足で病院機能は低下している。1992年度は入院患者数延べ8万7846人、外来患者は同16万1001人。だが、2012年度はそれぞれ4万6509人、11万5923人まで減った。呼吸器外科は医師がおらず診療科から外れた。

 県や2市は、新中核病院を臨床研修指定病院として大学病院と連携することによる医師不足解消を掲げてきた。皆川代表も集いで、「医師が来てくれる病院として新中核病院が必要です」と訴えた。ただ、市民の関心は建設地以上に、再編統合後、既存病院はどうなるかということのようだ。

 集いでは、岩瀬地区に住む男性(69)が「県西総合病院を分院として残さなければ絶対に賛成できない」と主張した。男性によると、筑西市中心部まで行くなら新中核病院はいらないという人もいるといい、「ここは栃木県真岡市の総合病院も近い。県西総合病院の存続だけに関心がある」と話した。

     ◇

 3選を目指す現職の中田市長は「きっと(建設)させていただく。県に入っていただき、政治的な思惑を排除して積極的に動く」と話した。立候補予定の新人、大塚秀喜氏は「筑西の須藤市長と話し合いたい。(市長同士)人間関係がうまくいっていないから話が止まっていると理解している」と述べ、いずれも建設推進の姿勢だ。
 
 だが、建設の前提としていた国の地域医療再生基金25億円の交付では、「今年度内の着工」という条件を満たせないことがほぼ決定的となった。財源が不足した場合、その手当てはどうするのか。そして、再編統合後の既存病院の扱いについて具体的な形を示さなければ、市民の納得は得られそうにない。
不足した場合、その手当てはどうするのか。そして、再編統合後の既存病院の扱いについて具体的な形を示さなければ、市民の納得は得られそうにない。

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