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特定秘密保護法案は十分議論されたのか? 

特定秘密保護法案が、今日にも参議院を通過し、成立しそうだ。急いで何としても成立させようというのが、政府の方針のようだ。

国会審議をところどころ聴き、様々なニュースで報じられたところをまとめると、政府がこの法案成立を急ぐ理由は、

1)集団的自衛権の行使という名目で、米軍の世界戦略の一翼を担うこと。米国の権益に合わせて、自衛隊を世界に派遣し、戦わせること。

2)警察公安官僚が、スパイ罪等を本法案に含めることに熱心であったこと。恐らく、彼らの権益拡大につながるのだろう。

の二つなのではなかろうか。

衆議院での審議時間は40数時間。一部野党との間で合意した修正案は、たった2時間で、委員会で強行採決。その後の参議院では、衆議院の半分程度の審議時間である。その間、問題点として特に取り上げられたのが、特定秘密の指定が的確に行われているかを監視する独立機関の必要性だった。

政府安倍首相は、当初、各省の事務次官からなる監視機関を作ると提案した。が、それでは、行政の決める秘密事項を、行政自身が監視するという自己撞着になる。それで、撤回し次に出してきたのが、内閣府内に20名規模の組織を作るというもの。それとて、内部の組織であり、独立した監視組織足りえないだろう。それを議論しようとしている最中に、参議院委員会で再び強行採決された。

監視機関を設置する意図は、当初なかったので、泥縄で案を出してきたという状態のようだ。独立した監視機関は、ツワネ原則等でも強調されているところで、こうした行政の秘密指定に際して、その妥当性を担保する重要な機関だ。それを当初の法律で、作ることを予定していなかったことは、この法案が不十分であるか、または国民の権利を意図的に侵すものであったことを示している。

他の問題点としては、行政の指定する秘密事項が、時間が経っても公開されぬ可能性が高いことがある。60年後に原則公開といっても、それだけスパンが空いていたら、公開しないことと同義である。さらに、30年未満で、行政の判断により、秘密事項の資料が廃棄されうるようにもなっており、大きな問題だ。秘密事項が、遠くない将来公開されるということを担保することによって、秘密指定が恣意的になること、誤った行政を行わせぬことにつながる。

また、秘密事項の範囲、さらにそれにかかわる犯罪の構成要件が曖昧である。「そそのかし」とは一体何なのか、国会審議を聴いていて、我々に納得できる説明を、政府は行っていない。

こうした秘密保護を行う場合、情報公開を徹底することを、政府・行政に強制する法律が絶対必要になる。秘密漏えいに厳罰を処するとするならば、公開すべき事項を公開しない、政府・行政には、それを超える厳罰が与えられてしかるべきだろう。情報が公開されることは、我々が政府・行政の行うことの妥当性を判断する重要な根拠になる。それは我々の権利なのだ。

この法律は国の形を変える。米国の世界戦略の一翼を担って、戦争する国家にする。スパイや、反体制運動を特定有害活動と規定し強権で抑圧する。そうした国家像が、この法案成立の先にある。こうした法律の制定は、十分な議論を行い、国民が納得するもの、国際的な標準に反しないもの、憲法の理念を侵さぬものにしてもらいたい。

だが、政府はそうした方向と真逆の方向に向かっている。

これからわが国を背負って立つ世代、その次の世代が、この法律で大きな重荷を負うことになるのを、こころから怖れる。

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