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看護師紹介業が盛業だから、診療報酬を削るという論理 

昨日の朝日新聞一面トップに、「看護師紹介業250億円市場」というタイトルの記事が載っていた。その脇に、「診療報酬が原資」とある。新聞の中をめくると、看護師紹介業が盛んで、看護師一人を紹介すると平均して100万円程度のお金が医療機関から、紹介業者に動くとあった。で、中には、紹介業者への支払いが済むころを見計らって、紹介された看護師が辞めて行くことが結構ある、とある。まぁ、そんなものかと思った。しかし、最後に、この記事の本音が記されていた。厚労省の見解として、看護師を手厚く配置した病院には多い診療報酬を与えられるようになっているが、重症患者が少ないのに、その診療報酬を算定するために看護師を多く抱え込んでいる病院が多い、というのだ。診療報酬を改定して、高点数の病院を少なくする、というのである。この厚労省の意向を体現したのがこの記事であり、さらに「診療報酬が原資」という記事サブタイトルの意味するところなのだ。

そもそも、看護師を多く配置するような施策を採ったのは、厚労省である。その目的は、医療現場の人手を手厚くし、医療の質を向上させ、かつ医療現場の負担を減らすことにあったはずだ。それで、大病院を中心として、看護師を何とか多く確保し、比較的高い診療報酬を得ようという動きが広まった。こちらにそうした状況を示す中医協の報告がある。そうでなくても看護師不足で大変なのに、中小病院、さらには診療所は、さらに深刻な看護師不足に陥った。

そのような反省はなく、看護師不足から看護師紹介業が盛業になったからといって、今度は診療報酬を減らすと厚労省は言いだしている。元来、診療報酬はぎりぎりの低さなのだ。考えてもみて欲しい。あれだけのマンパワーと設備が必要な入院施設で、一日の診療報酬が1万数千円なのである。看護師紹介業が盛業しているからという理由で、診療報酬をさらに削る、というのは、余りに可笑しな論理ではないか。

厚労省には、自らの施策が、医療現場にどのような混乱と疲弊をもたらしたかの反省が全くない。あるのは、ただただコストカットの意向だけだ。診療報酬をちまちま弄ることで、行政成果を挙げようと言う手法自体がもう限界なのかもしれない。この記事の可笑しさは、厚労省の医療行政そのものの可笑しさを表している。厚労省は、財務省の意向を受けて、こうした頓珍漢なことを平気で言っている。社会保障・医療は、どんどん切り詰める一方で、景気対策として、大企業の交際費の非課税枠を拡大するという財務省も狂っている。

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