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レセプトデータの開示、一体誰のため? 

診療報酬の請求書をレセプトという。医療機関が患者ごとに作り、支払基金に送付され、そこで審査されたうえ、各保険者に送られ再び審査され、それを基に保険者から支払基金を通して医療費が医療機関に支払われる。

数年前に、この請求が電子化された。その際の、行政の言い分は、紙を用いた請求でなくなるため、手間がかからなくなり、かつ資源の節約になる、その上支払がスムースになるので医療機関のメリットになるということだった。たしか、電子化されたデータは、医療費の支払い以外の目的では利用しない、ということだったような気がする。そのために、電子化のコストは、医療機関持ちだった。

だが、実態は違った。支払基金・保険者は投薬内容と診断名の事務的な突合せをPC上で行い、少しでも祖語があれば、バッサリその医療費を削ることを徹底して行うようになった。薬の行政上の適応症が、医学的な適応から遅れており、どうしても適応外使用をしなければならないケースもある。また、勿論、医療機関側で事務的に診断名を付け忘れることもある。そうした投薬に対する診療報酬が、薬代、薬局に支払われたコストまで含めて、問答無用に削られ、医療機関の負担にされるのである。訂正する機会を与えられない。また、患者にとって利益になることが認められない、そして薬局と患者が得た利益を医療機関が負わされる、ということだ。この理不尽さにも、医療機関側は、じっと耐えるしかない。

行政は、電子化で集められた患者データを、民間企業に公開する積りのようだ。このニュースでは、その利用は見かけ上抑制されているかのようだ。だが、「成長の矢」と称して、民間企業の利潤を生みだす道具、材料として、このデータが利用される可能性があるのではないだろうか。このデータを持つ厚労省は、製薬企業その他医療関連企業の許認可権を握り、監督する行政権を持つ。ということは、それらの企業に、天下りが行われていることと同義である。それらの民間企業に、この貴重なデータを与える行政の動機は十分あるのだ。

民間企業のなかで、こうした患者の情報を最も欲しているのが、保険業界である。保険業界としては、疾患にかかっている、またはそのリスクの大きな人々に保険を売りたくない。病気にかかっていない、かかりそうにない人々に保険商品を売れれば、利潤が上がるわけだ。彼らにとって喉から手が出るほど欲しいデータが、国民各々の診療データなのである。個々の患者のレセプトデータを直接保険会社に渡すのはさすがに表だっては行わないだろう。だが、年金事務が如何に杜撰であったかを思い起こすと、レセプトデータがいつの間にか保険業界に渡っている、という事態も十分想定される。一旦、そうしたデータが業界に渡ってしまうと、それを元に戻すことはできない。

民間企業に、レセプトデータを公開するという動きは、かなり危うい。基本的に禁止すべきことであるように思える。大体、あのレセプトに記された診断名は、保険を通すためのものであって、学術的な意味は殆どない。だが、企業の金儲けの種にはなりうる。

国民の財産が、こうしてまた簒奪されようとしている。



以下、引用~~~

レセプト情報の民間利用 - 試行期間で条件を検討へ

記事:薬事日報
14/02/17


 厚生労働省の有識者会議は13日、レセプト情報等データベースを民間企業等に幅広く活用するため、提供データの種類や申出者の要件、公表内容等を決定。その上で試行期間を導入し、利活用の成果を報告してもらう方針を合意した。民間企業等がデータを利活用した成果を有識者会議に報告する方向で検討を進める予定。

 この日の会議では、厚労省からレセプト情報等の民間利用の検討に関する論点が示され、民間企業等がレセプト情報データの提供を受けるに当たっての利用目的、提供データの種類、申出者の要件、分析主体の利用形態、公表内容について検討された。

 利用目的をめぐっては、製薬業界から、副作用を生じやすい要因の評価、リスク最小化策の評価等が要望に上がっていたが、石川広己委員(日本医師会常任理事)は「ナショナルデータベースでこういうことができるのか疑問」と述べた。

 また、民間組織の利益に資する研究を認めることについては、近藤剛弘委員(日本薬剤師会常務理事)が「いかがなものか。慎重にすべき」との考えを示し、これらを踏まえ、これまでの第三者提供と同様とすることにした。

 提供データの種類については、個人の特定可能性を考慮し、サンプリングデータセットまで範囲に含めた場合、リスクはゼロとは言えないと判断。定型表と申出者の依頼によって作成され、安全に利活用できる半定型集計表までとした。

 さらに、申出者の要件としては、データ提供に当た って公益性の確保が前提とされていることから、公益性のある申請可能な団体とした。

 公表内容については、これまでの第三者提供では成果を公表することを必須としているが、「公表を求めないことは公益性から問題がある」との指摘があり、試行期間を設置した上で、民間企業等がレセプト情報データの提供を受け、利活用した成果を有識者会議に報告してもらうこととした。

 今後、レセプト情報データについて、民間企業等による幅広い利活用を行う目的で、これら利用者に求める条件の検討を進めるために、試行期間を設定して、レセプト情報データの提供を行っていくこととした。

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