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単語を単位として 

過日、ラジオでとある大学耳鼻科の教授が、感音性難聴について話しをしていた。感音性難聴とは、内耳、神経系の障害による聴力の障害である。典型は、加齢に伴う老人性難聴だ。老人性難聴の場合、高音域から聴力が落ちてゆくこと(これは感音性難聴全般の特徴)と、聴いた内容を理解することにも障害が生じていることが多い。

そこで、対処法の一つは、補聴器になる。だが、補聴器は、特定の周波数帯域の低周波を増幅するだけなので、老人性難聴を根本的に補正するものではない(それでも、他に対処方法がないので、多く使われる)。もう一つ、老人性難聴の場合、高次脳機能での聴き理解する機能が落ちることが多くの場合伴う、という。残念ながら、加齢現象としては致し方ないところだろう。

補聴器以外の、会話時の対応方法としては、ただゆっくり話すのではなく、単語を区切って話すことが、感音性難聴のある高齢者には理解しやすいということだ。考えてみれば当たり前のことだが、聴き理解する機能が落ちている場合、単語そして文章の意味を理解するのに時間がかかる、それを補正するために単語の感覚を開けて話すというわけだ。なぜならば、我々は単語の意味を理解することを絶え間なく行っているからだ。それが理解できないと、文章の全体像が把握できない。

彼の話を聴いていて、CWの受信も同じだ、と思った。以前から何度も記しているように、送られてくる単語の意味を順次把握することが、筆記によらずに、送信される文章を理解するうえで、必須なのだ。文章全体を受信してから、その意味を取るということは不可能である。それは筆記受信によらざるを得なくなる。筆記受信では、スムースな会話が成立しない。単語単位で意味を把握することを意識することである。そして、もし取り切れない場合は、相手に「単語の間」を空けてくれるように頼むことだ。送信する側としても、文字間ではなく、単語間を空けることを意識すべきだろう。

CWに関しては、我々は生来感音性難聴と同じ障害がある状態にある。ありがたいことに、同病態との違いは、訓練することによって、その生来の機能障害を克服することができる。否、感音性難聴もきっと同じように機能訓練をすれば、理解する機能は改善するのかもしれない。単語単位で理解することを心がけてCWの世界への旅に出かけたいものだ。それは、感音性難聴の苦しい病との戦いではなく、大きな世界を広げてくれる冒険の旅なのだ。

コメント

冒険の旅へ出ます

先日、朝の7MHzでお相手いただいたJH1KMU/Kiyoです。

Shinさんをお呼びするのには、あと3年はかかるかと常々思っておりましたので、声をかけていただき、大変happyな朝となりました。
お相手ありがとうございました。

さてCW QSOの語間の重要性のお話し、興味深く伺いました。

自分はCWの訓練をはじめてから約1年になりますが、最近は

(1)語間をしっかり取った送信信号は初心者の自分にも大変受信しやすく、ときには実力を越えたスピードでもついていけるようだ。

(2)それぞれの単語は先頭の1文字目、2文字目を決して逃してはいけない。

ということを感じています。

語間をしっかり取った信号は受信時にわかりやすいだけでなく、送信するときにも、語間を取っている間にこれから送信する単語のイメージがしっかり固定されるようで、スペルミスも減らせる気がします。
そして、くっきりと単語が浮かび上がるような送信は、送り手が思いやりのある紳士に思えてきます。
一定の間隔で語間をしっかりキープするのは、なかなかむずかしいですが、常に意識して送信しようと思います。

(2)については、頭ではわかってはいるものの、集中がとぎれるとたちまち1文字目を見失い、おまけにその影響がまた次の単語の頭を見失うことにつながってしまいます。
 
逆に最初がしっかり取れると、仮に途中数文字抜けたとしても、最後の文字を判断出来た段階で単語の全容が浮かんでくるようです。

自分も最近は体温計の計測終了音を聞き逃したり、テレビ番組でのセリフの一部が聴き取れないことがあって、「加齢」を実感するようになりました。
この先CWのQSOをどれくらい楽しむことができるかはわかりませんが、少しでも高見をめざすとともに楽しいQS0ができるよう本格的に「冒険の旅」へ出発しようと思います。

Shinさんは小児科のお医者様と承知しておりますが、私のような老人科の患者まで元気にしていただけて、たいへんな名医でいらっしゃることがわかりましたhi

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Re: 冒険の旅へ出ます

コメントをありがとうございます。仰られる通り、単語を一つのまとまりとして送信し、受信することが大切です。目的は、意味を的確にとらえることであり、それがし易い送信符号を我々は美しいと感じるのだと思います。

また、お目にかかりましょう。ますますのご活躍を。

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