「患者が申し出せざるをえなくなる」医療 

いよいよ混合診療の拡大が始まる。患者申し出医療とはよく言ったものだ。患者にとって、生命に関わる治療であれば、「申し出せざるを得なくなる」わけだ。

患者になりうる我々としては、この制度が拡大されれば、民間保険に加入せざるを得なくなる。規制改革会議の目的は、民間保険の医療への参入拡大である。民間保険資本は、できる限りの利潤を上げるように保険商品を我々に売り出すことだろう。彼らにとっては利潤を最大化させることが至上命題になる。

一か月半で審査できるのであれば、保険診療収載のための審査期間6カ月を短縮すれば良いではないか。自由診療の項目を将来保険診療にするという建前は述べているようだが、それは大いに疑わしい。

医療従事者、とくに医師にとって問題は二つ。民間保険会社の保険を用いて診療して良いかどうかの可否をその会社と交渉する必要があること。もう一つ、医療費の増大に伴い、医療訴訟が増加し、それに対して大きな保険に入る必要が出てくる。外科系の診療科では、その保険料が余りに高額になり、診療をすることがペイしなくなることもある。

患者・医師が被るこうした問題点はともに、米国で実際に起きている事象だ。

この混合診療の拡大は、TPP交渉で米国に譲歩を迫られているためとも言われている。民間保険資本等の大企業に国民の財を吸い上げさせるためである。患者のことを考えているかのような「患者申し出医療」という呼称は、国民と医療従事者を愚弄している。


以下、引用~~~

毎日新聞 6月10日(火)21時46分配信
 安倍晋三首相は10日、保険の利く治療と利かない治療を併用する「混合診療」を限定的に認めた保険外併用療養費制度で、新たに患者の申し出に基づく「患者申し出療養」(仮称)を創設すると表明した。受けられる医療行為を拡大することで患者のニーズに応え、医療ビジネスの拡大を目指す。月内にまとめる成長戦略の柱に据え、来年の通常国会に関連法案を提出する。

 混合診療は原則禁止されていて、実施すると本来保険が利く部分も含めて全額が患者の自己負担となる。しかし、厚生労働省は例外として、保険外併用療養費制度で定めた約100種類の先進医療などに限り混合診療を認めてきた。一方、政府の規制改革会議は混合診療の大幅な拡充を要求し、慎重な厚労省と調整を続けていた。

 患者申し出療養は、現行の保険外併用療養費制度の中の一分野とする。医師が治療内容や安全性を患者に説明し、患者の申し出を受けて実施する。国内での治療実績のない新薬や治療技術などリスクのある診療は、全国15カ所の臨床研究中核病院が国に申請し、国の専門家会議が原則6週間以内に可否を判断する。現行では半年程度かかっている審査期間が大幅に短縮される見通しだ。

 また、既に治療実績があるリスクの低い診療は、中核病院以外の医療機関も実施することを可能とする。医療機関から申請があれば、治療実績のある中核病院が原則2週間で審査し、当該の医療機関が申請してきた診療をしてもいいかどうかを判断する。

 首相は同日、東京・信濃町の慶応大病院で先進医療を視察。記者団に「患者がより迅速に、必要な治療を受けられるようにしたい」と述べた。【小田中大】

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