東北地方の医学部新設は愚策 

、文科省「東北地方における医学部設置に係る構想審査会」で、議論が、さらに進んでいる。財団法人脳神経疾患研究所、東北薬科大学、宮城県が、新設母体として名乗りを挙げている。二回目の会合で、この三者から絞り込むらしい。

新設医大の条件は

(1)震災後の東北地方の地域医療ニーズに対応した教育等を行う、
(2)教員や医師等の確保に際し、引き抜き等で地域医療に支障を来さないような方策を講じる、
(3)大学と地方公共団体が連携し、卒業生が東北地方に残り、地域の医師不足の解消に寄与する方策を講じる、
(4)将来の医師需給等に対応して定員を調整する仕組みを講じる

というらしい。要は、医師を養成し、その医師を東北地方に強制的に縛る方策を講じること、ということだ。奨学金による縛り等よりも、もっと強力な強制力を学生に課すということだ。

問題は、
1)医学部・医大を新設して、東北地方の医師不足を解消できるのか?
2)強制力を持つ医師養成は、可能なのか?
である。

第一点については、医師団体、医学部団体等から、否定的な意見が出ている。一回目の上記会議でも、患者代表から疑問が呈されたらしい。そもそも養成医師数は、極めて大きく増加してきた。こちら。これでも、「僻地、過疎地の医師不足」は解消されていない。医師養成数の増員は、本質的な解決にならないことが明確に示されている。新しい医学部で養成される医師が一人前になる20年後には、東北地方の人口減少はさらに大きく進む。そこでは医師不足はさらに悪化するはずだ。

僻地・過疎地での医師不足は、なぜ起きるのか?それは、医師として仕事をする環境が劣悪だ、ということに尽きるのではないだろうか。それを改善しないでおいて、ただ医師数を増やすことで、僻地・過疎地の医師不足を解消することはできない。これほど明白なことがなぜ文科省は理解できないのだろうか。

第二点については、強制力を伴う医師養成は明らかに職業選択の自由、隷属的な就業を禁じる憲法に違反する。医局制度が機能していた頃、隷属的とも思える医師派遣が可能であったのは、それによる医局からの見返りが期待できたこと、徒弟制度的な医師の関係によるのではないか。それを文科省の意向で取り払ったのだから、医局制度に変わる制度が必要になる。ただ強制力で医師を縛ることはできないし、やってはいけない。

これほど明確な誤った施策がなぜ強行されようとしているのか。やはり医大・医学部新設に伴う利権が蠢いているのではないだろうか。

東北地方の復興など殆ど考慮されていない。東北地方の復興策は、津波地震で被災した方々への直接的な支援、福島第一原発事故で避難している方々への支援、そして福島第一原発事故からの復旧以外にない。

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