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すず、姿を消す 

すず、年齢17歳、雄、が姿を消した。我が家で生活を共にした三匹の猫のうち、最後まで残った一匹だった。

17年前、まず我が家にやってきたのは、写真中央の白黒の美ネコ、愛ちゃん。家人の同僚の方の家の庭で野良猫が子猫をたくさん産んだ。その子猫の内の一匹。愛嬌があるということで、そのご家庭で愛ちゃんとなずけられた。愛嬌があるかどうかは少し疑問だったが、とても賢い猫らしい猫だった。人に可愛がられる術を理解しているが、最終的には人のことは信じませんよ、という猫。彼女は、数年前にアレルギー性気管支炎とかいう慢性の病気で亡くなった。というか、彼女も病状がもっとも悪化した時に、外に出たがり、どうしてもという意思表示をするので、外に出した。それっきり帰ってこなかった。猫は、自らの最後を人に見られまいとするかのようだった。

愛ちゃんが我が家に来てしばらくは、我が家になじめず、食事時だけ家の中に入り、それ以外は植木の陰に隠れて生活していた。我が家に来て1週間ほどしたときに、リビングの掃出し窓の隅からするすると我が家に入ってきた愛ちゃん。その後ろに、何やら小さな動物が愛ちゃんの後をついて入ってきた。それが、「すず」であった。薄汚れた茶色の子猫。すずめのように見えるということで、最初すずめと呼んでいたが、猫をすずめと呼ぶのはあんまりだろうということで、「すず」と改名した。雄猫だけあって、やがて育つと、威張りかえっていたが、2、3年間は母親代わりの愛ちゃんのおっぱいを吸っていた。写真の右側の虎模様の猫が、すず。

猫は二匹でもう一杯だと言っていたが、6、7年前、夕方散歩していた時に、骨盤骨折(これはあとで獣医にかかり判明)で、よれよれになって歩いていた子猫を見つけた。一旦抱き上げたが、どうも大分痛がる。それで地面に降ろすと、のろのろと逃げて行った。だが、3,4m行ったところで、くるっと踵をかえし、私たちのところにやってきた。決死の思い出我々に保護を求めたのだろう。それが、みちる、普段の呼称、みっちゃんと私たちの出会いである。写真では、左側の黒っぽい猫。雌だったが、身体は大きく成長し、いかつい相貌だった。が、声が可愛らしく、発音の最後で微妙に音調を上げるのだ。それに、人懐っこく、庭仕事をしていると、1mの半径のあたりにいつもついて歩いていた。しかし、道路には決して出ようとしなかった。あの骨盤骨折はきっと車にはねられたためだったのだろう。我が家に来て、2、3年した頃、彼女も忽然と姿を消した。車のドアが開いていると、中に入り込む習性があり、きっと宅配便の車に入り込み、連れられて行ってしまったのではないか、と我が家では推測していた。

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すずは、もともと一人前の量を食べると吐く習性があった。それで、一食分を少なめに回数をわけて食事を与えていた。それでも十分に栄養が取れなかったのか、どちらかというと痩せていた(この画像では、ふっくらして見えるが・・・)。長生きしたのは、小食のためだったのかもしれない。が、この2,3年、痩せが酷くなり、それとともに認知症の傾向が表れた。所構わず、トイレにしてしまうのである。家人は、文句を言いながら、せっせと世話をしていた。それまで、通常の成猫の性質通り、鳴くことは殆どなかったが、我々の顔を見る度に、鳴いて何事かを要求するようになった。一種の若年化、または猫としての本能が崩れてきていたのだろう。今年の夏は、当初暑さがこたえたのか、痩せが進行した。また、尻尾の付け根を、我が家に侵入してきた猫に噛まれたのか、そこに膿瘍ができたようだった。殆ど食事がとれぬまでに衰えた。が、砂糖入りの牛乳で持ち直したようだった。るい痩はあまり改善しなかったが、毛並みは大分良くなった。しかし、やはり夏の暑さがこたえたのか、徐々に衰弱が進んだようだった。3日前、外に出ると言うので出したら、それっきり姿を現さなくなった。愛ちゃんと同じく、最後の姿を人目にさらしたうないという本能のようなものだったのだろうか。それとも、侵入猫にやられてしまったのか・・・。

思えば、我が家の激動の時代を一緒に生きて、部屋の端っこから、我々を観続けていてくれた猫たちであった。子どもたちが成長し、やがて家を出て行った。両親は年老い、やがて病をえ、天に召されていった。すずには、テレビの前でうたた寝をしていると、耳元にやってきて、突然鳴かれ、うんざりしたこともあったが、もうそれもなくなる。やはり家族を失った気持ちだ。みっちゃんはまだどこかで幸せに生きているのかもしれない。愛ちゃんとすずにはしばらくのお別れだ。この長い間、我が家をほっこり、そして時にはうるさくしてくれたお前たち、安らかに眠れ。

コメント

すずちゃん

にゃんこ!は亡くなるとき姿を隠すとは聞いていたのですが、本当なのですね?

わが家のワンちゃん(ロン)は、残念ながら病院で亡くなってしまいましたが、本当は腕の中で見送りたかったと、今でも悔やんでいます。
(駆けつけた時は、まだ温かかったのがせめてもの救いでした。)

でも、すずちゃんのように急にいなくなるというのもこれもまた寂しいものですね?
17年もの間、いろいろあったにせよ生活を共にした仲間ですから残念ですね?

心からご冥福?をお祈りします。
(いなくなったので亡くなったかどうかは不明ですが、状況から想像しまして・・)
奥様も含めて寂しいでしょうが、お悔やみ申し上げます。

Re: すずちゃん

杉さん

ありがとうございます。ロンちゃんの闘病は、それはそれで大変な経験でしたね。でも、あの大変な経験を共有なさって、記憶は鮮烈なものが残ったのではないかと思います。

我が家の「すず」は、徐々に衰えて行きましたので、何時かはこうなると予想していました。一緒に17年間生きてきたものを失った寂しさと同時に、あぁやって老いさらばえてゆくのだと身を以て示してくれた、その「先達」を失った悲しさもあります。腎臓保護食のドライフード、えさ用の食器等はそのままにしてあります。

いよいよ夫婦二人だけの生活になりました。

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