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僻地医療義務化を提言する?? 

日本医師会(日医)が、研修終了後の新人医師に僻地診療を義務づける提案の中間報告をした。この義務化は、官僚から少し話が出ていたが、医師達の反発で引っ込められていたもの。

唖然・呆然である。

下記に共同通信の配信内容をコピーするが、問題点は以下の通り。

○基本的人権の蹂躙
医師の基本的な人権は、どうなるのか?職業選択・居住の決定を国家権力が指示し、強制するのは、人権の無視だ。これが実行されたら、同じことがどのような職種でも行われることになる。独裁国家への一里塚だ。

○根本的な解決ではない
僻地医療・地域医療の崩壊は、医療行政の失政による。それを正さずに、表面的に人を動かすことで解決しない。厚生労働省によれば、医師は足りている、医師の仕事の忙しさは大したことがない、ということではなかったのか。限られた偏在だけが問題ならば、厚生労働省技官や、保健所の医師達でカバーしたらどうか。なぜ問題の根本的な解決を図ろうとしないのだろうか。

○モチベーションの低下
たとえ、この提言通り、研修後の医師(それに、開業をする予定の勤務医にも適用すると言う噂もある)が僻地に義務的に勤務させられるとして、研修終えただけの医師がどれだけ使い物になるのか。また、地域医療を志向しない医師は勿論のこと、それを志向する医師であっても、強制されて仕事をさせられると、モチベーションは下がる。そうした医師の医療で、僻地の方々は満足いくのだろうか。

○小児科・産科問題もイッショクタにするな
僻地勤務だけでなく、小児科・産科の医療を義務付けるようだが、小児科・産科の問題が、これで解決するとでも思っているのか。小児科・産科医療の崩壊を決定付けることになる。

○何故に日医が?
大体において、何故日医がこうした提言をするのか。日医は、医療問題の本質を明らかにし、それを解決するための方策を提言すべきなのではないか。この点に関して、様々な憶測がなされている。

  1)政府・官僚が、本来行うべきことだが、日医にそれを提言させ    ることにより、政治家・官僚の横暴だとの批判を封じる思惑が    ある。
  2)参議院選挙前の、リップサービスであり、実現することなども    ともと考えていない。
  3)日医にこの提言を行わせることにより、多くの医師が日医から    離反し、日医が更に弱体化することを、官僚が望んでいる。
  4)日医は、政府・官僚と裏取引をし、日医の主要な会員層である    開業医の利権を守ることにした。

○義務に誘導って?
日医は、給与・留学の機会を与えるなどの「誘導策」を考えていると言うが、義務化するのに何故誘導策が必要なのか。かなりヤバイことをしている自覚があるので、そんなことを言っているのではないか。いずれにせよ、医師の権利を守り、医療システムをあるべき姿にすることが「義務」のはずの日医が、「義務」を放棄した中間報告だ。

○提灯担ぎは日医だけでない
まだ日医内部で決まってもいない(拘束力のない)中間報告を大々的に報道するマスコミって一体何を考えているのだろう・・・。

以下、引用~~~ 

日本医師会(日医)の地域医療対策委員会は14日、研修終了後の新人医師に医師が不足している地域での「勤務の義務化を考慮する」とした中間報告書を公表した。

 日医はこれまで義務化に反対していたが、現在の医師不足や偏在をめぐる危機感が強く、「同委員会では義務化を求める声が大勢だった」(内田健夫常任理事)という。

 義務化する場合、医師不足が顕著な産科、小児科なども対象とするよう検討する。また、給与を手厚くすることや優先的に留学する機会を与えるなどの誘導策で対応すべきだとの声もある。

 同委員会は、義務化する場合の期間など具体的な検討も進め、来年の3月をめどに最終報告をまとめる方針。

コメント

終わってますね

ここまで来ると、もはや「利権政治屋と無能官僚との仁義なき闘い」としかコメントのしようがないですね。

自民党にとって最大級の献金元である日本医師会に言わしめるところが、裏にあるドロドロした権力闘争を如実に物語っています。

しかも、憲法第3章にある基本的人権が、すでに「亡きモノ」とされていることにも注目します。

政府は、参院選後に独断決行する憲法改正で、第2章どころか第3章にも手をつけるつもりであることは、過去の様々な事象から明白です。

国民の権利を大幅に縮小し、逆に義務を大幅に増大させるのが、近年の政府と財界にとって最大の悲願だったことでしょう。

左派政党もマスコミも、第2章しか論点にしませんが、戦争は軍人ではなく文民が起こすものであることに、誰も気づいていないのでしょうか?米国による戦争は、文民である大統領の命令によって始められています。もし「文民統制」が戦争回避につながると信じているとしたら、日本国はもう終わってますね。

かなり脱線しましたが、厚生労働省も日本医師会も、僻地医療を改善するつもりなんて最初からないことだけは確かなようです。

戦略の失敗を戦術で補うことができず、戦術の失敗を戦闘で補うことはできない。

医師需給予測の合理的考察が一切できず、医師不足を認識すらできていないこの国の官僚は戦略的に失敗している。

それをこの様な小手先の戦術で補おうなど、無理というものだ。

日医の理事が自分で率先していけばよい。特攻を若者に強いて、老齢の司令官は残ったようなものだ。

GULさん

そうですね。憲法改正への動きも急ですね。9条を変えることは、必然的に、戦争する国家に変わることで、基本的人権も抑えられることになるのでしょう。

日本医師会とほぼ同じ組織の日本医師政治連盟は、自民党に30億円程度の献金をしているようです。これも我々からみると莫大な金額ですが、大企業の何百億というオーダーの献金からするとすずめの涙なのでしょう。自民党は、完全に大企業の方だけを向いています。

日本医師会の幹部は、間接選挙でしか選ばれないために、現場の若手の意識とは乖離しています。動脈硬化も良いところで、遅かれ早かれ、医療崩壊と共に消え去るか、他の団体にとって替られることでしょう。医療現場の問題を指摘し、解決の方向を指し示すことができるのは、やはり医療従事者とくに医師なので、何らかの医師の団体は必要なのだろうと思います。

これから参議院選挙に向けて、自民党・官僚は現政権を維持するために、国民に甘い飴を配り始めることでしょうが、それで目をくらませてはいけないのだと思います。患者の親御さんに、医療問題のパンフレットを配布して、一人でも現政権の政策の問題に気づいてくれるようにと運動し始めました。

QWさん

官僚は、医師不足はとっくに分かっているのではないでしょうかね。それほど馬鹿だとは思わない。しかし、政策の誤りの責任をとること、そして政策転換に伴う国家予算増を自由に出来ぬことなどで、知らん振りを決め込んでいるのではないでしょうか。

「新小児科医のつぶやき」で、官僚による医師数の評価・見込みの誤りについて詳細に議論されているのをお読みになったかと思います。が、官僚(の代弁者達)は多言を弄しながら、言っていることは、根拠がなく、国際標準に比べてトンでもなく遅れていることなのですね。

QWさんの良く言及される、戦前の大本営と同じ精神構造のような気がします。両者の根底にあるのは、「無責任さ」ですね。

カーナビ(?)さえあれば…

自民党に献金しているのは、日本医師会ではなく、日本医師政治連盟だったのですね。でも、看板が違うだけで中身は同じなんですよね?

30億円と聞くと、私のような貧乏人が一生目にすることのない大金ですが、経団連を代表する大企業は、もっと桁違いの献金をしているってことですね。

だからこそ、現場の医師が抱く不満と要望が政治に反映されることはなく、経団連の思惑が最優先で取り上げられるのだと考えれば、ここ数年の動きにも合点がいきます。

国民皆保険に代表される日本の医療制度が崩壊するのはもはや時間の問題ですし、最後はどこかの無線団体と同様に、構成員自ら「落とし前」をつけなければならない時期が近いということなんでしょうねぇ。

それにしても、いったいどこで道を間違えたのやら…
歌にある「迷い道くねくね」とは、まさにこのことです。

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