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日本の免許制度はガラパゴス・利権の温床 

先日、7メガで交信していたJohn K1JDから、日本のアマチュア無線の免許制度がどうなっているのか、尋ねられた。彼は、、山に移動した局との交信数を競い、山岳移動を行うためのSOTAというプログラムで熱心に活動しているのだが、日本の局には移動ができない局がどうもあるらしいと知り、気になったとのことだった。

理解しがたいだろうとは思ったが、日本では、運用者の免許と、局の免許に分かれていること、後者は無線機に対して許可が下りる制度であり、無線機の保障認定という事務手続きを経るか、ハイパワーでは業者による検査をうけなければならないことなどを手短に説明した・・・複雑な制度なんだね、という反応だった。例の特別局の移動運用では、機械を移動先に送り付けて運用している・・・喜劇ではないか。

免許が被免許者と無線局合わせて一種類であり、その免許で許容される運用範囲を自由に運用できる、包括免許の制度でアマチュア無線を楽しんでいるJohnには、この複雑怪奇な制度を理解しがたいのも無理はない。10数年前の知識では、包括免許は、米国を始め、英国、ドイツ、カナダ等先進国では例外なく取り入れられている。フランスだけは例外的に当局の検査があったようだが、その後どうなっているだろうか。いずれにせよ、世界的なアマチュア無線免許のスタンダードは、包括免許である。

さらに、固定と、移動に免許が分けられているのも、終戦直後の統制を重視した免許制度の名残だ。当時は、米国の制度をかなり取り入れているので、それの名残なのかもしれない。しかし、現実には、免許を移動・固定に分ける制度も意味が全くない。我々アマチュア無線家の手間とコストがかかるだけではなく、行政の手間を二重にしている。その手間の重複は、人件費等の増加となり、結局は我々の支払う税金が無駄に使われることになる

もう30、40年前から一部のアマチュア無線家の間で要望され続けてきた包括免許がなぜ実現しないのだろうか。問題は、アマチュア無線家の側と、行政の側にあるように思われる。

アマチュア無線家の側、特にJARLが、包括免許を要望しないばかりか、行政の包括免許への動きをけん制してきたとも言われている。日本のアマチュア無線家の大多数は、初級の免許所持者であり、包括免許の必要性を感じてこなかったのだろう。また、以前に記したとおり、一部のJARL幹部が、現在の保障認定制度に関連した利権の恩恵に与っていることも、JARLが包括免許実現とは反対の方向に動かしてきたのではないか。

行政にとっても、アマチュア無線免許制度をこのように複雑にしておくことで、組織を縮小しないで済むこと、JARD等の天下り先を確保することといった利権がある。また無線機の認証も、行政の大きな利権になっているに違いない。

アマチュア無線は、電波法で規定されている通り、本来アマチュア無線家が無線通信技術の向上を目指すための制度ではなければならないはずだ。今のように、無線機に手を加えると、その無線機は使えなくなるという制度は、アマチュア無線のあるべき姿と相反する。

現在のわが国の免許制度は、アマチュア無線家に不便を強いるだけでなく、行政の簡素化という点からも大きく遅れている。そして、関係者が利権をむさぼる草刈り場になっている。諸外国の制度と比較すると、まさに、ガラパゴスであり、行政・関係者が利権の温床になっている。

どうも今のままでは、私たちの世代では、包括免許は実現しそうにない。いや、今実現しなければ、永遠に実現しないかもしれない。それによって、アマチュア無線は衰退を続けてゆくことになる。それで良いのだろうか。

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