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減少の一途を辿る、人間らしい交信 

しばらくぶりに、VK1ARA 荒君のサイトを訪ねた。最近は、新たな書き込みがほとんどない。元気にしているのだろうか。彼とは、私が東京で無線を始めた当時に知り合った。同じクラブで同じ年代の連中同士でワイワイやったものだ。彼がVKに落ち着いたということを知ったのは、80年代後半だったか・・・。彼が、2,3年前に記した文章が目に留まった。彼は最近は専らモービルからの運用だけらしい。21、28メガのフォーンをワッチし、さらにCQを出しているのだが、相手が殆どいない、ということだ。この前のサイクルでは、21辺りでしょっちゅうラグチューをしている彼の声が聞こえたものだったが・・・。やはりフォーンであっても、無線人口が減ってきているのだろう。CWではむべなるかな、である。

CWでは、コンテストスタイルではない普通の交信をする局がまばら、会話になるような交信をする局に至っては、皆無というと少し言いすぎかもしれないが、1時間粘って、一局捕まえられるかどうか、という状況になっている。激減である。この事実については、くりかえし述べてきたが、その減少の進み方の早さにはたじろぐほどである。

CW交信には、「我とそれ」の領域に属するものと、「我と汝」の領域に属するものがある。「我とそれ」の領域に属するものは、対象が物である。CWの符号は、それ自体意味のない、記号の体系だ。記号と数値を叩く。これは、コンテストであり、DXであり、アワード収集の領域だ。符号は、その領域内の閉じた世界で何らかの意味を持つが、人の会話、人間らしさとは無縁である。この領域は、取っつきやすい。一種のゲームの世界である。一方、「我と汝」の領域では、CWは人間的なもの、人の生活、人生に関わる意味のある内容を運ぶ。一つ一つの符号は、意味のある言葉を形作る、開かれた体系となる。そこで語られることは、無線を楽しむ人間の呟きであり、言葉だ。お互いのコミュニケーションが成立する、そのための言葉である。

以前は、当然のこととして、これら二つの領域のCWを共に愛し、そして「我と汝」に撚って立つハムが多かったものだが、現在は専ら「我とそれ」の世界に耽溺するハムが相対的に増えている。トータルとしてはCWを嗜むものが減っているが、特に「我と汝」の領域でそれが甚だしい。問題は、その急速な減少と、二つの領域の乖離である。

今年初めの年頭の思いで、tell me your storyの精神でCWを楽しんで行きたいという希望を私は記した。どこまでそれが実現できたことだろうか。そうした運用をする方が、本当に日を追うように少なくなって行く。そこで、一体どれだけのことをしてきたのかと改めて思い返す。

荒君も、モードは違え、車の中で砂をかむ気持ちでいるのか・・・彼の、ころころころがるような笑い声を聴いたのはいつのことだったか・・・。

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