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衆議院選挙の結果 

衆議院選挙は、マスコミの予想通りの結果に終わった。

安倍首相は、産経新聞とのインタビューで、この選挙は「護憲勢力」を追い出すことを目的にしていた、しかしむしろ「改憲勢力」が減少した、と述べている。衆議院では改憲発議に必要な議席を確保したが、参議院では達しておらず、すぐに改憲へ動き出すわけにはいかない。しかし、憲法改正が、彼の一番の眼目であることは覚えておく必要がある。

憲法の意味、現憲法の価値を、我々は忘れがちになる。歴史的に、近代憲法は、国家権力が国民の基本的人権を踏みにじることを抑えるために生まれた。そして、現憲法は、わが国のこれまでの発展と、国際的な平和国家としての評価をもたらした。これらのことを良く脳裏に刻み付けておく必要があるように思える。それを失ってから、その価値、意味を思い出しても遅い。

「アベノミクス」については、ここでも繰り返し記したが、第二、第三の矢というのは実在しないか、全く機能していない政策である。第一の矢の金融緩和も失敗に終わることが見えてきている。日銀が莫大な国債を買い入れ、その資金を市中に流すことによって、経済を活性化させる、という政権与党の説明だった。が、現実は、その国債買い入れ資金は、日銀の当座預金という口座に眠ったままで、市中経済に出回っていない。経済が淀んで見えるのは、需要が相対的に減っているからで、資金の欠乏ではないのだから、当然のことだ。

政府の本当の金融緩和の意図は、発行せざるを得ない大量の国債を、日銀に買い取らせることによって、国債が市場で消化しきれず、その価格が暴落し、利率が上昇するのを、なんとしても防ぐ、ということにある。戦争中の経済体制である。金融緩和を止めると、その国債価格暴落が生じうるので、金融緩和を止められぬ泥沼に陥っている。さらなる国債発行に歯止めが掛けられぬ状態だ。この政策は、やがて訪れる財政破綻の傷を深くする。

実際のところ、実質賃金は16か月連続減少、GDPも二期連続低下である。年金資金、日銀資金などによって維持されてきた株価も下落を始めた。この金融緩和策が失敗に終わることは既定にことのように思える。

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で、今回の選挙の結果は、自公政権を積極的に支持するというよりも、政権を託しうる政党がないからとりあえず自公に任せておこうという選択だったのではなかろうか。戦後最低だった投票率は、投票しても変わらない、消極的な選択でいまのままでも良い、という国民の意思表示だったような気がする。自民党は、33%の得票率と、前回の衆議院選挙よりは多少伸ばしたが、国民人口全体に占める得票率はたかだか17%だ。これで、国の形、行く末を、少数の自民党指導者の意図通りにするのはなし、だ。共産党の飛躍、沖縄での自公政権への否という民意の意味を、自公政権は理解すべきだ。

問題は、野党だ。民主党政権の「失敗」を良く考えると、野党が政権を担えるかどうかは、現在の官僚体制とどれだけ対峙し、コントロールできるかにかかっているように思える。財務省は、これまでのぼろを出さずに利権を守ることに汲々としているし、外務省は日本の権益ではなく日米関係という新たな国体(山口二郎氏の言葉)を守ることだけを考えて行動している。こうした官僚組織に切り込み、真に公のために働く、自己目的化しない官僚制度を作り直す必要がある。勿論、自民党の新自由主義的な発想、さらに政調部会、官僚、業界の癒着による、閉ざされた利益誘導政治に対する、アンチテーゼとしての政策を確立することも必要だろう。

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