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福島県大熊町双葉病院の教訓 

原発10基の再稼働を目指して、原子力規制委員会の検査がちゃくちゃくと進んでいる。

だが、この委員会の検査は、規定の検査基準に適合するかどうかの検査だ。福島第一原発事故で明らかにされた問題、特に、深刻事故時の周辺住民の避難方法等は、周辺自治体に丸投げである。近々の再稼働を目指して準備が進む川内原発では、鹿児島県は、周辺10kmの避難しか検討しないとされている。福島第一原発では、20、30km以上の地域でも汚染がひどい地域があった。原子力規制委員会の検査は、周辺住民の安全を保障しない

この双葉病院事件では、医療関係者が最初叩かれたが、現実は、事故の過酷さそのものであった。医療従事者だけでは対応できず、さらに自衛隊が関与しても、凄惨を極めた。他の原発で深刻事故が起きたら、このような状況が繰り返されるのだ。繰り返しこのブログでも述べているが、福島第一原発の場合は、一応稼働は停止したこと、多くの放射性物質は太平洋側に流れて行ったことで、「相対的に」汚染は少なく済んでいるのだ。原発稼働中の爆発による汚染では、これでは済まない。当時米国が、原発から半径80kmよりも外への退避を米国市民に促したのは、大げさなことでは全くなかったのだ。これを考えただけでも、為政者は原発再稼働は躊躇すべきなのだ。

政府は、国民の安全よりも、原発稼働によって得られる利益を優先している。

以下、引用~~~

患者救出、混乱浮き彫り 多数死亡の双葉病院

記事:共同通信社
14/12/26

 福島第1原発事故では双葉病院(福島県大熊町)の患者の救助が遅れ、多くが避難先で命を落とした。関係者の調書からは、当時の過酷な状況と混乱した様子が浮かぶ。

 3月14日、いわき光洋高校(いわき市)で患者を受け入れた田代公啓校長は「容体も知らされず、症状の重い患者が半日かけてバスで避難してくるとは全く思っていなかった」と振り返る。

 県担当者からは電話で「午前10時か11時には着く」と言われたが、高校に8台のバスが到着したのは午後8時ごろだった。患者は受け入れ先を求めて長距離を移動し、高校にたどり着いた。車内は「床に転げ落ちている方、毛布にくるまり全く動かない方...。言葉で表せない凄惨(せいさん)な状況だった」と田代校長。

 バスからの搬出も混乱を極めた。自衛隊員が「メルトダウンだ。体育館に避難しろ」と叫ぶと、患者は一時バスに置き去りに。搬出が終わったのは15日午前4時ごろ。搬出中に2人が死亡し、15日午前中にさらに12人が亡くなった。

 このころ、双葉病院にはまだ多数の患者が残されていた。

 救出指示を受けて棚橋浩治・陸上自衛隊東北方面衛生隊長が双葉病院に着いたのは15日午前9時。救出は難航した。47人を搬送したところで線量計が鳴ったままになり、病院を離れた。何人が残っているか分からない。同行した近藤力也・東北方面総監部防衛課長は「病院は危険な状態だ」と総監部に知らせた。

 避難先は道路の損壊や受け入れ拒否で何度も変わった。二本松市の検査場で、患者は福島県が用意した大型バスに乗り換え、部隊の手を離れた。

 大熊町の渡辺利綱町長は「町が積極的に確認していれば、残っている患者がいることを把握できたかもしれず、その点は反省材料だが、病院から直接、残っている患者がいるとの報告は受けていない」と述べた。

コメント

事実を知ると恐ろしいことばかりですね。危機管理のなさ、机上の空論、自治体丸投げ、日本の国の議員、官僚は素晴らしい。

Re: タイトルなし

別なポストで記そうと思っているのですが、原子力規制委員会は、深刻事故が起きた場合の対処について十分検討していないようです。一つの例が、原発周辺の地下水の問題です。原発は、どこでも地下水がわき出ていて、福島第一では、それによって放射能汚染が周辺環境に拡大し、さらに際限のない汚染水の処理、貯蔵をしなければならなくなっています。が、規制委員会は、既存の原発での地下水の湧き出す量を適切に把握せず、事故時に対処する方法は、福島第一と同じで、汚染水を貯留の上、あの故障続きのアルプスのような汚染処理装置で「臨機応変に」対応すると言っています・・・要するに、行き当たりばったりということです。

原子力規制委員会が、ゴーサインを出したら、それが安全の根拠であると、政府は言います。どちらも無責任です。

東電は、すでに公的資金を5兆円近くぶち込まれており、さらに毎月800億円近くが交付され続けています。東電は潰さないといけません。それで解決するわけではありませんが、深刻事故が起きたら、電力会社は経営破たんする、とならないければ、電力会社の経営はモラルハザードを起こします。現政権の政策は滅茶苦茶です。

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