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原子力損害賠償機構の問題 

東電が、原子力損害賠償機構から毎月1000億円以上の資金援助を得ていることは何度か記した。資金援助総額は5兆円弱である。

この機構とは一体何なのか。国と、電力会社が共同で立ち上げた組織で、福島第一原発事故処理に要する資金を援助することを直接の目的にしている。

同機構の問題点を二つ。

ますは資金繰りの問題。既に東電に支払われた5兆円弱の資金の内訳を、同機構の資本金等と示すと、Wikipediaの情報では;

引用~~~

資本金:140億円 政府出資:70億円  
原子力事業者等12社:70億円

負担金 一般負担金(原子力事業者による積立)2011度: 815億円、2012年度: 1008億円、2013年度: 1630億円
特別負担金(資金援助を受けた原子力事業者からの返済)2011年度: 0円、2012年度: 0円、2013年度: 500億円

交付国債 賠償のための資金交付の原資として国から交付される国債。現在、累計5兆円が交付されている。

借入等 市中からの政府保証付きの借り入れや政府保証債券の発行による資金調達 政府保証枠は毎年度の一般会計予算総則に規定。2014年度の政府保証枠は4兆円。

引用終わり~~~

結局、電力会社の負担は1割前後であり、大部分は国債である。国の借金、即ち国民に将来負担が来る可能性が高い。

電力会社は、あの事故以来、原発が稼働していないため、化石燃料の支出が増えたとして、電力料金を上げ続けているが、それ以外に、こうした廃炉・復旧・損害賠償費用が必要になり、それは結局国民の負担になる。原子炉の廃炉、復旧の目途は、まだ殆ど立っていない。恐らく、今後、5兆円と同じか、それ以上のコストがかかることだろう。それは社会保障費の自然増分の30年分にも相当する。これほどのコスト負担が生じうる深刻事故、それを生じうる原発を再稼働して良いのか。答えは自ずから明らかだ。

もう一点、同機構の構成メンバーに関してである。財務省、経産省の官僚が入っているのは勿論、東大の岡村孝司教授の名前が目につく。彼は、原子力村に人材を出し続けてきた同大学原子力工学科(元)の卒業生であり、自身もアカデミズムの立場から、原子力行政に深くかかわってきた。2005年から2012年まで原子力安全委員会の委員をしている。福島第一原発事故に対する責任は、少なくないはずだ。あの事故が起きた時に、NHKで事故の解説をしていた。その解説内容は、事故の深刻さを覆い隠す内容であった。現在、原子力規制委員会の委員もしているらしく、大飯原発再稼働にゴーサインを出した検討委員会のメンバーでもある。原発再稼働を推進し、一方で、原発事故の賠償スキームの実務に当たる、どこかおかしい。原発を推進し、その挙句、深刻事故が起きたら業界に深刻な影響を与えないで済むように働く。原子力村が取り仕切る、その中枢に居続ける人物である。恐らく、彼のような経歴の方が何人も他にこうした機構のメンバーになっているのだろう。原発利権から距離をしっかりおく人物が、再稼働の可否、原発事故処理にあたるようにすべきではないのか。




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