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ISIS人質事件に思う 

悲劇に終わってしまったISIS人質事件を受けて、政府は、同様な事態で自衛隊を海外派兵できるように法整備をすることを表明したようだ。

これが本当だとすると、まさに私が危惧していた通りの展開だ。

あのクリチカルな状況の中東に、財界人を46名も引き連れて訪問し、総額3000億円の資金援助をバラまいた。恐らく、ひも付きのODAと同じ構図なのだろう。これ以前に、武器輸出三原則を反故にした。それは米国によるステルス戦闘機のイスラエルへの売却を可能にするためだったと言われている。中東の安定とは相いれない、「死の商人」の仲間入りの行為である。

挙句の果てに、安倍首相は、ISISとcontend withするためと称して、2億ドルの資金援助を各国に与えると表明した。昨年秋から、ISISに人質が捕えられていることを知っていたはずなのにである。まるで、ISISを挑発しているとしか思えぬ言動である。

ISISが生まれた背景には、米国をはじめとする欧米各国のこれまでの行動があった。日本も、米国のイラク侵攻をいち早く支持した責任がある。大義なぞなかったあの侵攻についての総括が、わが国では全くなされていない。

民族、宗教、経済格差等が複雑にからむ、中東のような地域に、国家安全保障の論理を直接持ち込んでも、解決しないばかりか、問題を複雑にする。ISISの主張、方法を支持する積りはないが、第二次世界大戦後、欧米諸国の利害によって、人為的な国境線が中東(特にイラク)に引かれたことが、現在の混迷のおおもとになっている。上記でも少し述べた、米国のフセイン政権への肩入れ、欧米の武器商人のイラクへの武器売込み、さらに米国のイラク進攻、フセイン政権のバース党官僚、軍人によるISISの立ち上げと続く。米国は、無理な国境画定であっても一応安定していた中東を俄然不安定化させてしまった。

あの状況で自衛隊がISISに人質救出に向かえばどうなるか。自衛隊の海外派兵という根本問題を置いておき、仮定のこととして、自衛隊がISIS支配地域に派遣できたとしても、米軍も過去に失敗しているようなリスクが高く困難な作戦を余儀なくされる。恐らく、ISISとの戦闘にまきこまれ、自衛隊が武力衝突の当事者になる。そして、イスラム原理主義勢力は日本人全体を敵とみなすことになる。いや、すでにISISは日本人を今後テロの標的にすると言っている。これが問題の解決になるのか。

国単位の国家安全保障の武力で対応しても解決しないことは明白だ。対立の原因を一つずつ解きほぐす、非軍事的な対応が必要なはずだ。NGO、国連が、対応すべき事態なのだ。安倍首相の行ったこと、行おうとしていることは、それとは逆の方向であり、問題を一層複雑にかつ深刻にする。米国は、これまでの自らの対応を棚に上げて、ISISを殲滅するとして、無人機による空爆をISIS支配地域に繰り返している。民間人も多数犠牲になっているようだ。このままでは、ISISがつぶれたとしても、第二、第三のISISが生まれてくることになる。

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