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ISIS人質事件、集団的自衛権、徴兵制 

ISIS人質事件の経過、真相そして集団的自衛権行使と徴兵制の可能性について、現時点で私の考えをまとめてみた。この国の進む方向が大きく舵を切られようとしているのだが、マスコミ、世論の動きがあまりない。国民は、泥沼に足を突っ込むまでは理解できないのだろうか・・・。

1)政府は、事件を放置した

ISISによる人質事件に関して、政府は、昨年秋に情報を得て対策本部を設置していたというが、実質何もしてこなかった。ISISに連絡が取れる立場にあったジャーナリスト常岡氏を公安警察が別件で捜査、ISISと彼の連絡経路を潰してしまった。この公安警察の失敗を知りつつ放置していた、またはそうした捜査を指示していたとするなら、政府は、人質の解放を模索するのではなく、人質解放が難しくなるように行動していたことになる。

安倍首相は、そうした状況で、中東に飛び、ISISと敵対する言動をとった。実質は人道援助であったが、それを表明する際に、ISISと戦う国を支援すると述べたのだ。

ISISからの人質との交換条件提示を受けて、改めて対策本部を国内とヨルダンに設置したが、交渉は実質的に行えず、独自の交渉ルートさえなかった。安倍首相は、早い時期から、「厳しい」と繰り返すのみであった。

人質二人が殺された直後、安倍首相はISISを「決して許さない」という心情論を声高に叫び、自衛隊の海外派遣の法整備をする、と言い出した。これまで政府がこの人質事件に積極的な対応をしてこなかったことを考えると、安倍首相の激高して発した「決して許さない」という言葉は、中身のない演技なのではないだろうか。

この経緯が示すことは、拉致された二人の解放に、政府が積極的に動いた形跡がない、むしろ彼らを拉致されたままにしておこうとしたのではないかという疑いである。

2)政府は、この事件を自衛隊海外派兵の口実に利用する

古賀茂明氏が語ったところによると、安倍首相は、ISISへの空爆を続ける米国をはじめとする「有志連合」の仲間に入りたかった、ということだ。また、集団的自衛権行使としての自衛隊海外派兵の端緒を作りたかったのではあるまいか。そのための、中東訪問であり、あのISISを刺激する演説だったのだろう。人道支援なのであれば、ISISをいたずらに刺激する言動を取る必要はないし、とるべきではなかった。集団的自衛権行使による自衛隊海外派兵だけが安倍首相の頭の中にあったのではなかろうか。

3)武力行使の現実、徴兵制の可能性

以前のポストにも記したが、武力行使によってテロリズムを根絶することはできない。むしろ、テロリズムの拡大再生産を起こす。9・11以降の米国の軍事行動がそれを端的に示している。自衛隊が、たとえ邦人救出のためとはいえ海外に派遣されたら、敵対勢力と武力衝突を余儀なくされる。それは泥沼の戦争へ突入することを意味する。

武力によるテロとの戦いが、これまでのわが国の進んできた方向と真逆のものであることは言を俟たない。

現実的に考えて、その泥沼の武力衝突に突入した場合、自衛隊が兵員不足になることが十分予測される。小泉政権時代、後方支援であったが、自衛隊を中東に派遣することになった時、自衛隊員の志願が急激に減った。中東で武力衝突に自衛隊が関わるとすると、アフガンでのNATO諸国軍の犠牲者数と同じ程度、即ち、数百人から数千人規模での犠牲者が、自衛隊員から出ることが予想される。全面戦争のような事態にはならないまでも、長期的に考えると、兵員補充がままならなくなり、やがて徴兵制が敷かれる可能性が十分ある。自民党の憲法草案を読んでみると良い。そこにあるのは、平和的生存権条項の削除、および基本的人権の制限である。あの憲法草案は、徴兵制をすでに目指す内容になっている。

ネットでは、安倍首相を支持する声が多く聞こえる。それも、若い世代が多いようだ。戦争を一旦始めると、撤退することは極めて難しくなる。近年の戦争ではアフガン、イラクでの状況を見よ。多大な損害が国民に及ぶ。戦争は自衛隊が行ってくれるものと他人事のように考えていないか。国民が、戦争の担い手になり、場合によっては銃を持って他国や組織のグループの兵士を殺すことが要求されるのだ。また、すでにISISは日本人を対象にしたテロを告知しているが、他の勢力からもテロの対象にされることだろう。ご自身、お子さんが戦場に駆り出され、またテロの対象にされる覚悟があって、この戦争をする国への安倍首相の路線を支持するのだろうか。

米国は、憲法制定以来200回以上戦争を行ってきた。その内、6回を除いて、すべて大統領の権限で開戦をしてきたという。米国は、理由の如何を問わず好戦的な国家なのだ。それに追随し、米国の世界戦略の一翼を担うための集団的自衛権の行使を行うのか、これからのわが国を担う方々に問われている。

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