院外調剤薬局が薬剤服用歴未記載 続き 

ひとつ前のポストの続編。より詳細な記事。

1)調剤薬局「くすりの福太郎」は、厚労省の指導に備えて、薬剤服用歴の記載を確認したところ、17万件以上の未記載が明らかになったということだ。

2)当該薬局は、薬剤師が足りず、記載が疎かになったと弁明している。

3)厚労省は、さらなる報告を待ちたい、と鷹揚な態度。

ということのようだ。

まず、第一点について、厚労省は、これほど大規模な未記載をこれまでなぜ見逃してきたのか、大いに疑問だ。診療報酬を、記載したことを前提に請求しているはずなので、これは不正請求である。不適切な請求と片付けるべき問題ではない。行政の責任が問われる。

第二点、薬局に配置すべき薬剤師数は、対応処方箋数により法律で決まっているはず。もし本当に、人手が足りなくて、記載を怠ったというなら、配置薬剤師数が適正であったか、厳密にチェックすべきだろう。

第三点、厚労省は、この大規模な診療報酬の不正請求に対して、もっと迅速に行動すべきではないか。更なる報告を待つのではなく、すぐに監査に入るべきなのではないか。この腰の引けた対応は、裏に何かあることを改めて疑わせる。医療機関への厳しい対応を考えると、あまりに悠長である。

と、ここまで書いて・・・東京医科歯科大学の川渕孝一教授(医療経済学)のコメントを読んで、その通りと思う一方、行政畑出身の彼がこのように言うのは、調剤薬局に対する診療報酬引き下げを当局が行うための情報操作、世論誘導なのかもしれない、という思いが出てきた。「厚労省は薬局の診療報酬をゼロベースで見直すべきだ」と、断言するのはまだ早い。もし厚労省が情報操作をしているとしたら、それも大問題だ。

以下、引用~~~

大手薬局チェーンのツルハホールディングス(HD=東証1部上場、本社・札幌市)の子会社が関東地方に展開する調剤薬局で、薬剤師が記録することを求められている「薬のカルテ」と呼ばれる薬剤服用歴(薬歴)を記載せずに患者へ薬を出していたことがわかった。2013年3月の内部調査で未記載は約17万件あった。根拠となる資料がないまま、一部で診療報酬を不適切に請求していた疑いがある。▼2面=「いちからわかる」、35面=利益優先で薬歴後回し

 ■診療報酬不適切請求の疑い

 薬歴を適切に管理すれば、薬を出すごとに410円の診療報酬が得られる。朝日新聞の指摘で事態を知ったツルハHDが今年1月に一部店舗を調べたところ、未記載の薬歴を確認したことから「返金や関係者の処分も含めて検討する」と話している。

 この子会社は「くすりの福太郎」(本社・千葉県鎌ケ谷市)。朝日新聞が入手した内部資料によると、福太郎本社は13年3月ごろ、厚生労働省の指導が入ると想定し、薬歴の記載状況を報告するよう各店舗に指示した。その結果、同月時点で69店舗中48店舗で計17万2465件の未記載が判明。結局、厚労省の指導はなく、薬歴を適切に管理する体質には改善されなかった。

 調剤薬局の薬剤師は、医師の処方箋(せん)に沿って調剤する際、患者ごとに薬の効き具合や副作用などを薬歴に記録して保管しなければならない。同じ患者が再び来たらすぐに薬歴を確認しながら調剤し、問題があれば処方した医師に連絡する。薬歴が未記載だと適切な調剤ができず、患者に健康被害が起きる可能性がある。

 福太郎では、薬を渡す時に薬剤師が患者の状況を紙にメモし、後でパソコンで管理されている薬歴に詳しい情報を打ち込む手順になっていた。しかしパソコンに入力されないまま、メモが大量に放置されていた。福太郎関係者は「薬剤師が足りず、薬歴を書く余裕がなかった」と話している。

 化粧品や一般医薬品を販売していたくすりの福太郎は1986年に調剤薬局を始め、03年の38店から今年1月の87店に拡大。07年にツルハHDの傘下に入った。福太郎は朝日新聞の取材に対し「事態を非常に重く受け止め、深く反省している」とコメントし、一部店舗を閉鎖して薬剤師を集約するなど、薬歴を書ける態勢を整えるという。

 ツルハHDからすでに報告を受けている厚労省保険局医療課は「より詳細な報告を待ちたい。薬歴未記載での指導例はあるが、これだけ大規模な未記載は初めてだ」としている。

 (沢伸也、風間直樹、丸山ひかり)

 ■存在意義揺るがす

 東京医科歯科大学の川渕孝一教授(医療経済学)の話 医師が処方した薬の副作用などを点検する調剤薬局の存在意義を揺るがす事態だ。患者の健康より営利を優先させ、診療報酬に見合うサービスを提供していない恐れが高まった。他の薬局でも薬歴を放置している可能性がある。厚労省は薬局の診療報酬をゼロベースで見直すべきだ

 ◆キーワード

 <薬剤服用歴(薬歴)> 薬剤師が患者ごとに作成する「薬のカルテ」。アレルギーなどの体質や過去の副作用▽服薬中の体調の変化▽副作用が疑われる症状の有無▽併用薬▽残薬状況▽処方薬や服薬指導の内容――などを記録する。調剤するときに点検し、健康被害を防ぐ。日本薬剤師会によれば、高脂血症治療薬を処方された患者が、別の医師に処方されていた薬と一緒に併用すると肝機能障害などの副作用が起きる危険が高いことが薬歴からわかり、医師に連絡した事例があった。


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