普天間、辺野古の問題は、我々の問題だ 

普天間基地の撤去と、辺野古への移転について、政府が語るとき、必ず強調されるのが、「抑止力の維持」、「普天間の危険性の除去」である。さらに、政府は沖縄に「経済的支援」を行い沖縄の発展を促すという。この経済についての発言は、政府からの補助金がなければ沖縄は困るだろう、という脅しを言外に含んでいる。

沖縄の求めていることは、国土の0.6%しかない沖縄に、全駐留米軍の74%を配置するのは止めてほしいということに尽きる。第二次世界大戦終了直前、唯一地上戦が戦われた同県では、県民の4人に1人が戦闘、自決により命を落とした。その後、日本が独立を回復後も、米国による統治が続き、本土復帰しても米軍基地という巨大な治外法権と犯罪の温床が残された。いい加減に沖縄に負担を負わせ続けるのは止めてほしい、という当然の要求である。

辺野古に作られようとしている基地は、大型艦艇が接岸できる、新たな永続的な基地である。普天間の代わりに一時的に作るという一時的な基地ではない。沖縄の負担を軽減するという言葉は嘘である。新たな基地の負担を負わせようとする企みである。

普天間基地の危険性は、その通りだが、普天間基地に所属する航空機の事故のうち、普天間基地周辺で起きているのは2割程度に過ぎない。嘉手納基地等でも同じだが、事故のリスクは沖縄本島全土に及ぶのだ。普天間基地の危険性を覗かなくてはいけない、という政府の発言は、現実を見ていない。

沖縄の基地の軍事的な存在理由は、小さくなっている。普天間基地の海兵隊の大多数はグアムに移転し、現在残っている海兵隊員は1800名ほど。世界中どこかに海兵隊員が派遣される時には、一旦佐世保に移送され、そこから派遣先に向かう。従って、普天間に海兵隊がいなければならない必然性はない。沖縄全体の米軍基地にしても、基地機能が集積し過ぎて、攻撃を受けやすくなる可能性が、米国で議論されている。米国では、海兵隊のように沖縄駐留を利権とする勢力もあるが、沖縄の米軍基地を縮小する議論も行われている、一方、日本の政権と官僚は、米軍基地を固定化することを至上命題にしている。1972年に米国が海兵隊を沖縄から本国に戻すことを提案したときに、日本の政治家と官僚が、それを止めるように要請した。海兵隊駐留の見返りとして、毎年3000億円以上の「思いやり予算」を米軍に支払っている。米中が、総力戦を戦うような戦争が起きるというのはまずあり得ない話だ。尖閣の問題も、国際問題として引き出したのは、わが国の超右派の政治家だった。尖閣は、日米安保の範囲と米国の言質を取っているが、そこで何か予期せぬ衝突が起きたとしても、米軍が地上軍を派遣する等と言うことはありえない。沖縄基地の重要性を、こうした問題から強調するのは誤りである。

沖縄経済に占める基地経済の割合は、日本への返還直後は15%ほどだったが、最近では5%程度まで低下している。返還された基地が、その後大きな経済効果を生んだ事例、さらに基地返還に伴い期待しうる経済効果の予測が、沖縄県のウェブサイトに紹介されている。民間研究者の研究でも、普天間基地、およびその周辺の民間地域各々の経済活動による収入に大きな差がある、というデータが出されている。当然、後者の方が大きい。この事実を知った沖縄県民が、イデオロギーの違いを超えて、合同して基地返還を求め始めた理由は、ここにある。また、一括交付金等国から沖縄県への補助金の総額は、決して多くはない。沖縄県が財政的に特別扱いされてきたということは事実ではない。むしろ、国の意向に従うかどうかで交付金の額を変えるという、沖縄県にとって屈辱的な扱いを受けてきた(これは、基地のある地方自治体どこでも同じ)。

沖縄県があたかも無理難題を言っているかのような論議があるが、上記の理由からそれは誤りだ。我々沖縄県以外の国民がこれまで沖縄県に負っていただいてきた重荷を共に担うのか、ということが問われている。それは、わが国が本当の独立国になれるかどうかの試金石でもある。

以下、引用~~~

辺野古移設で平行線、対話は継続

2015年4月5日(日)11時10分配信 共同通信

 菅義偉官房長官は5日午前、沖縄県の翁長雄志知事と那覇市のホテルで初めて会談し、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設について「日米同盟と抑止力の維持、危険性除去を考えたときに唯一の解決策だ」と理解を求めた。翁長氏は安倍晋三首相との面会を要請するとともに反対方針を重ねて示し、会談は平行線をたどった。双方とも対話を継続する方針だが、歩み寄りへの突破口は開けず、協議の難航は必至だ。会談は約1時間行われた。

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