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国会での安保法制についての議論 

国会中継を、どれほどの国民が見ている、聴いているのだろうか。あまり効率的でない議論を長々と行うので、平日日中の国会での議論をリアルタイムで視聴するのは、我々にとって難しい。

それで、国会での議論が終わってから、編集されたニュースを視聴することになる。ところが、ニュースでは、数時間の議論内容を、2,3分に簡略化している。さらに、重要なのは、ここで引用する記事でも分かる通り、野党の質問に政府が答弁し、それで問題は解決したかのような形式になる。議論の結果、問題の所在がさらに深まることが多い。決して、議論で解決などしていない。それなのに、政府の見解で一件落着であるかのような印象を視聴者に与える。これは、世論の誘導操作になるのではなかろうか。

この特別委員会を、できる範囲で視聴して感じたことは、以下の通り。

〇安倍首相は、ていねいな説明を行うと言っているが、ていねいな説明とは、質問に関係のない自説を長々と繰り返すことと誤解している。多くの場合、質問に答えていない。例えば、集団的自衛権行使によって自衛隊が負うリスクについては、「今でも自衛隊はリスクを負って仕事をしている」とか、「三要件があるので、安全性が確保される」とか、ポイントをずらすか、または主観t的な希望的予測を述べるだけだ。

〇安倍首相、中谷大臣に目立つが、基本的な勉強不足が露呈している。武力行使と武器の使用が区別されるかのような答弁、「後方支援」は戦闘行為ではないので危険性がない(または極めて少ない、または安全性を確保できる)といった認識である。もしかしたら、これらのことを理解をしているのかもしれないが、集団的自衛権行使によるリスクについて正面から説明しようとはしない。「後方支援」は、logistics兵站のことであり、米国との改定ガイドラインでも、それが明記され、さらに自衛隊が米軍の指揮下に入ることが明記されている、という。

〇中谷大臣は、出身が防衛大学であり、れっきとした「制服組」出身であることを始めて知った。シビリアンコントロールの観点から、この任用に問題はないのだろうか。

〇安倍首相は、若い質問者、女性の質問者に居丈高である。これほど野次を飛ばす首相がかっていただろうか。下らぬ野次の一つ一つを問題にしても意味がないが、こうした議論の仕方をする首相が、どのような政治手法で国を導こうとしているのか、寒々しい思いである。

やはり国会でどのような討論が行われているのか、我々国民は良く注視する必要がある。この法案の成否が、国の形、国の進む方向を大きく変えるからだ。


以下、引用~~~青文字は、私のコメント

安倍首相「専守防衛は不変」=巻き込まれ型を否定-衆院特別委

2015年5月27日(水)18時52分配信 時事通信

 安倍晋三首相は27日午後の衆院平和安全法制特別委員会で、集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法案について、先制攻撃を排除した「専守防衛」の原則を変更するものではないとの見解を示した。民主党の長妻昭代表代行が「専守防衛の定義が変わったのではないか」とただしたのに対し、「専守防衛の考え方は全く変わりない」と否定した。
 専守防衛は「相手から武力攻撃を受けて初めて防衛力を行使し、その行使の態様も自衛の必要最小限にとどめる」とするもので、日本の安保政策の基本姿勢。安保関連法案では、日本が直接攻撃されていない場合でも「わが国と密接な関係にある他国」が攻撃を受ければ自衛隊が出動し、集団的自衛権を行使できる。首相は答弁で「わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険。これを防衛するのが専守防衛だ」と強調した。

新三要件という限定条件が認定されれば、世界中どこにでも「専守防衛」と称して自衛隊を派兵する、というのが政府の方針である。如何なる戦争も、自国防衛のためと称して始められたことを忘れてはならない。この新三要件も抽象的すぎる。日米同盟が、わが国の存立にとって必須のことと判断され、米国の世界戦略に加担することになるのは明らかである。これまでの専守防衛から大きく逸脱することになる。

 維新の党の松野頼久代表は、政府・与党が安保法案成立を急ぐのは、明白な危機が現実に迫っているためかと質問。首相は中国を念頭に「アジア太平洋地域で軍事力を増強している国がある。軍事バランスを保って、相手に隙を見せないために、やっていかないといけない」と説明した。北朝鮮の核・ミサイル開発にも触れ、「安全保障は何か起こってからでは遅い」と理解を求めた。
 維新の党の柿沢未途幹事長は、首相が集団的自衛権に関し「米国の戦争に巻き込まれることは絶対にない」と断言していることを取り上げ説明を求めた。首相は「巻き込まれるとは、わが国の存立に関わりないが米国に言われるままに戦争をすることだ。(武力行使の)新3要件が守られている限り、『巻き込まれ型』はない」と明言した。

安倍首相の考えでは、米国の戦争に、巻きこまれるのではなく、率先して参加するわけだ。何たる詭弁。

 海外で外国軍を後方支援する自衛隊が攻撃を受ける可能性については、「絶対ないわけではない。そのときは一時休止、退避の判断は当然行われなければならない」と述べた。共産党の志位和夫委員長への答弁。 

志位氏の議論がもっとも白熱していたが、ニュースではこの小さな扱い。まず、国際法上、背フガ区別従っている、武器の使用と武力行使には区別がないことを志位氏は明らかにした。また、政府の言う「後方支援」は、日本政府独特の用語であり、国際的には「兵站logistics」を意味する。米国海兵隊のテキストでも、兵站は戦争行為の中心に位置づけられ、敵からの攻撃にさらされる、とはっきり書いてある。また、「後方支援」を行う際には、バグダッドのような主要都市から、前線への輸送が任務となる。安倍首相は、自衛隊が米軍等他国軍の指揮下に入ることはないというが、兵站行動は、戦闘をしている国の軍隊の指揮下に入ることは、軍事上の常識である。また、「後方支援」部隊が攻撃されたら、作戦の一時中止、ないし撤退を行うので、自衛隊員の安全性が確保されるというが、そのようなことはありえない。攻撃されたら、そこで応戦し、戦闘が始まる。

コメント

言われるとおり、野党の質問に対し一方的に長々と演説して終わりと言う場面が沢山ありました。また、質問者も自分の持ち時間が終わったら仲間から拍手をもらってさもやり込めたと自画自賛しているようにしか見えません。いずれ強行採決すればこの法案は決まることが分かっているので与党野党とも議論しましたよと言う実績作りでしょう。重要なことがこうやって決まってゆくのかと思うと寂しい思いです。

Re: タイトルなし

野党の質問も玉石混淆ですが、問題は、安倍政権にあります。政府の基本的な認識が甘く、誤認している、ないし国民をミスリードしようとしている姿勢が目立ちます。戦争をする「普通の国」に日本を変えることを何としても阻止すべきであると考えます。

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