毒キノコとフグ 

先日の国会の論戦で、内閣法制局長官が、集団的自衛権は、毒キノコではなく、フグである、と言い出した。分かりやすい議論をしようという意図だったのかもしれないが、余りにお粗末な比喩である。

現政権の目指す集団的自衛権は、極めて限定的なものであるから、肝を除いたフグのようなもので毒にはならない、という趣旨なのだろう。

だが、限定的な集団的自衛権なるものが一体存在しうるのか。答えは否だ。自国を守るためだけの集団的自衛権等あり得ない。安倍首相が、米国議会で演説をした際に、強調したのは、世界の平和と秩序のために集団的自衛権を行使する、ということだった。これは明らかに、米国の世界戦略の肩代わりをするという意志表明である。その証拠に、新たなガイドラインは、それに沿った内容になっている。

世界、特に米国に向かっては、米国の世界戦略に加担すると表明し、国内向けには、自国の安全と平和のためだけに武力行使をする、と安倍首相は語っている。明らかな二枚舌である。

大体において、集団的自衛権が、過去の戦後の歴史の中でどのような状況で行使されてきたのか。以前のポストにも記したが、米国、ソ連のような大国がその覇権を維持するために、第三国で泥沼の戦争を起こす理由に、集団的自衛権を持ち出してきたのだ。自国の安全保障のための限定的な集団的自衛権等と言うものは存在したことがない。

これまでのわが国の内閣は、集団的自衛権行使は、フグではなく、毒キノコであると言明し続けてきた。それが、憲法の指し示すところである、ということだった。ところが、安倍内閣は、閣議決定という内輪の手続きで、毒キノコではなくフグだと言いだした。解釈改憲である。このような解釈改憲を行うと、憲法に反する、どんなことでも時の権力者の意のままになることになる。憲法学者が問題にしているのは、この点だ。毒キノコを、フグだ・・・肝を除いてあるから安全で上手いよ、と声高に叫んでいるのが、安倍政権である。

安倍政権が、集団的自衛権行使容認の憲法学者として挙げた三名、すべて徴兵制を指示している方々らしい。徴兵制も美味しいフグなのか。安倍首相は、かってその第一次政権の時に、福島第一原発は津波によって問題を起こすことはないと述べて、津波対策をとるべきだという野党の主張を退けた。その数年後、あの原発事故が生じた。彼は、その責任を取っていない。集団的自衛権行使により、多数の死傷者が出て、国内でもテロが生じ、さらには徴兵制が敷かれそれによる更なる戦死者が出ても、安倍首相は責任を取らないだろう。

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