院外調剤薬局不正請求、その後 

院外調剤薬局の不正請求が、この冬に表面化した。その実態が、6月24日に中央社会保険医療協議会で報告された。

2014年の1年間で81万2144件、約3億円分の薬剤服用歴未記載があった、ということだ。この3億円という金額は、薬剤服用歴記載に関する技術料だけと思われる。医科の診療報酬過誤(不正請求も含む)の場合のように、他の技術料を含めれば、この数倍の金額になるはずだ。さらに、これとて、強制力ある行政の監査ではなく、調剤薬局の自主的な報告をもとにしたデータなのだから、これ以上なかったとは言い切れない。調剤薬局は、この不正請求分を返還し、研修を行うことで対応するという。それを了承する行政は、大アマである。

これほど多数の不正請求がなぜ放置されたのか。これほど大規模な不正請求を見抜けなかったとすれば、支払基金の審査能力に問題があると言われても仕方あるまい。また、問題発覚後も、厚労省の動きは極めて緩慢であった。調剤薬局と、行政が裏でつながっているのではないか。第三者が、この経緯を検証すべきではないか。これはいわば詐欺罪にもあたる案件である。

医科に対する診療報酬の誤りに対する行政の対応は厳正を極める。大多数を占める事務的な誤りであっても、薬局に支払われた診療報酬を含め、診療報酬全体を返還させられる。明らかな不正に対しては、相当の行政処分が下される。数万円ほどの金額であっても、医業停止処分等が下される。それを考えると、少なくとも、この案件に関して、行政は、強制力を持った監査を調剤薬局に行うべきである。この不正が行われた理由、原因を明らかにしないと、同じことが繰り返される。

この事件で、院外調剤薬局制度に加えられた「改革」といえば、「かかりつけ薬局」機能の創設だ。これは改革でもなんでもない。巨大薬局チェーンの寡占体制を促し、そうした企業にさらに利益を回すことでしかない。「かかりつけ薬局」に地域医療の拠点としての機能を持たせるというが、それは絵に描いた餅であることは前のポストで記した。大企業と行政、そして恐らく政治家も巻きこんでの、利益の付け替えに過ぎない。

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://nuttycellist.blog77.fc2.com/tb.php/3622-83aa68ae