マイノリティ排除に関するマスコミと国民の責任 

ネットであからさまな人種的な差別に基づく発言をよく目にする。最近は、在日朝鮮人の方が強制送還になる、身近にそうした方がいたら、出入国管理局に通報しようと言うデマが拡散しているらしい。

最近お目にかかったのは、「日本のマスコミが在日の方によって支配されている」というデマ。これは、しばらく前に、某匿名巨大掲示板に、リベラルな考えを持つ文化人やジャーナリストを、朝鮮人であるとする根拠のない発言があり(たとえ朝鮮人、または朝鮮出身の方であったとしても、その思想、発言が首肯できるものであれば、全く問題ないはずだ)、それが拡散したものに基づくものらしい。このデマには、知り合いの方も「支持」をしており、びっくりしたものだ。少し調べれば分かるものなのに、それもしない知的怠惰だ。

ナチスが政権につき、国家社会主義を現実の政治に持ち込んだ1930年代。ドイツの歴史をみると、それを可能にしたいくつかの要因がある。これまでは、ヒットラーという煽動家があの忌まわしい人種的偏見に基づく虐殺を実行したと片付けられていたが、最近になって、その背景、それを可能にした条件を探る歴史的な探求が行われるようになってきた。そうした条件のなかでも大きな働きをしたのが、マスコミと、国民による、ナチスへの支持だとされている。

当初、共産党員、支持者をナチスは排除するために、彼らを予防拘禁し、強制収容所へ収用した。それが、ユダヤ人、さらには社会的なマニノリティへの差別、社会からの排除に向かっていったわけだ。国家社会主義体制を築き上げるのに、マスコミによって国民を扇動し、国民を動員することが必要だったのだろう。国家社会主義体制に国民を収束させるために、マイノリティを排除、虐殺する必要があったのだ。

ワイマール体制という民主主義の理想を実現しようとした体制が破綻し、第一次世界大戦後の過大な賠償要求による国内経済の疲弊も存在した。だが、国民が物事の本質を理解せず、国家社会主義の煽動に当初は無関心を装い、さらにマスコミの扇動活動によって積極的にナチスを支持していった。

わが国で、同じことが繰り返されるとは思わないが、在日朝鮮人への謂れのないデマが、ネットという空間であれ拡散し、広範な支持を集めることに、何か寒々しいものを感じる。

そういえば、先日NHKが、岸信介元首相を持ち上げる懐古番組を放映していた。彼こそ、国家社会主義を戦前の政権のなかで実行してきた政治家ではないか。あたかも、米国からの独立を志向した政治家のように紹介されていたが、内実は戦前の政治体制への復帰を目指しただけだったのではないか。警職法改定を目指したことが、政権にあった彼の失脚の一つの理由であったとされているが、同番組で警職法の内容について深く触れることはなかった。改定を目指した警職法は、ナチスが進めたゲシュタポと新しい警察司法制度に近似する。

マスコミと一部の国民の、こうした言動に、注目し、必要があれば、否と言わなくてはならないだろう。

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