アマチュア無線の本質の変貌 

先日のこと、7メガでW5/E7***というコールの局に呼ばれた。QTHは、FROM SARAJEVOということだった。FROMというからには、ボスニア=ヘルツェゴビナの局が米国に移住して出てきたのか、と思った。冬季五輪で有名になった都市のご出身なのですね、と話題を振ってみた。サラエボは、あの内戦せ悲惨な時期を経た町だ。いろいろと話を伺えるかと思った・・・が、どうも様子がおかしい。こちらの問いかけへの返事はなし。eQSLでカードを、といったことを一方的に言ってきた。で交信終了である。

リモートコントロールで、ボスニアからW5の局を運用しているということだった。それを知って、私のこころのなかで何かがプッツンと切れた。アマチュア無線の私の中での在り様が、根本的に崩れたと言ってもよい。リモートで運用する局があるのは、知っていたが、多くは自宅で小さな設備でしか運用できないために、条件の良い、そして大多数は近傍にあるリモートの局を運用するというパターンだと思っていたのだ。ところが、この局は、別な大陸から運用している。もうパスがどうしたとかいう話ではない。ただ、電離層反射を都合よく利用しているだけの話だ。

HFの交信は、地球の電離層を確かに利用するのだが、所在地、またはその近傍から利用できるバンドとパスを確定して、ある確率のもとで交信できる、という偶然性に面白さの大きな部分がある、いや、過去にはそうであった。こうした別な大陸、遠く離れたリモートを用いると、その楽しみは限りなく小さくなる。こんなことをするならば、ネットのskypeででも話をしていた方がましというものだ。

便利なネットを利用して、効率よく交信すればよいだけではないか、という声も聞こえてきそうだが、HF交信をその本来の形でずっと楽しんできた者には、受け入れがたい。で、何かがプッツンと切れたのだ。これが一般化したら、DXもコンテストも意味がなくなるのではないだろうか。HFを用いた無線の在り様が、根本的に変貌する時代を、我々は生きている、ということなのかもしれない。

先日、久しぶりに会った、Kemp、K7UQH、昔から使っているIC751がドリフトを起こすようになっていた。Sラインは、送信機の方がトラぶっているらしい。出られなくなったら、もうそれでお終いだ、といつもの口癖を言う彼。だが、最後のIDのあとには、CW FOREVERと打ってきた。願望と、現実と、彼の気持ちがよくわかるような気がしたものだ。

コメント

おっしゃる意味は、よーくわかります。

私も、7Mhzで、モービル運用なのにKW出力という方をワッチしたことがあります。(スマホ経由で自宅のRIGからON AIR)

冗談ですが、仮に、8J1RL(移動局免許なので50W)が、リモート経由で、日本国内のRIGから電波を出していても、もしかすると、パイルアップにはならないかも知れませんね。笑

一方で、アパマンでアンテナ設置が困難な人、TVI問題でKW免許を受けれない人、転勤族の人、単身赴任の人などにとっては、リモート運用は、画期的なブレークスルーかもしれません。

頭の固いお役人(電波行政)が、よくぞ、踏み込んだと評価しています。

Re: タイトルなし

コメントをありがとうございます。

実際のところ、遠く離れたビッグステーションを使ってリモート運用しても、運用する側、交信する側ともに飽きてしまうのではないかと思います。

行政がOKを出したのは、海外の動きに合わせて仕方なく、というところではないでしょうか。包括免許化の動きも、免許人単位ではなく、リグ単位で考えているようで、行政はアマチュア無線を楽しむ人間のことをこれぽっちも考えていないように感じます。

米国では、現在HOAがしばしば出す外部アンテナ禁止規則を撤回させる動きがある(議会に法案が提出された?)ようですが、現実問題としては、景観上の理由で外部にアンテナを建てられぬ方が多数おり、リモートコントロールの需要が結構ある様子です。現に、時間制で課金されるリモート局が存在しており、そこから出てくる方と何人か交信しました。これは大いに納得できます。

いずれにせよ、アマチュア無線のパラダイムが大きく変わろうとしている時代のようです。

JA1NUTさん。
こんばんは。
今朝は、交信ありがとうございました。
また、私の送った英文がムチャクチャ間違っていまして大変失礼いたしました。

大陸をまたいでリモートコントロール運用される方もいらっしゃるのですね。
賛否は両論あると思いますが、アマチュア無線ってスケールが大きいと感じました。

私は、リモート運用する設備も無くリモート運用もした事が無いのですが、転勤族の私にとってリモート運用はとても魅力を感じています。

というのも、今朝も、転勤先のアパートのベランダからモービルアンテナを出して運用しましたが、途中から周辺ノイズの影響で受信がままならず、こんな時に条件の良い私有地からリモート運用ができたらと思っていました。

しかしながら、目の前にリグが無い状態での送信も恐ろしいものがあり、アンコントロールになった時に、電波が出ぱなしになったりしないのかなあ?とか素人的に不安に思いました。

いずれにせよ、アマチュア無線の楽しみ方の選択肢が1つ増えたということは良い事だと感じました。

どうぞ、今回の交信に懲りず、また、次回交信お願いいたします。

Re: タイトルなし

今朝はありがとうございました。こちらでは、ばっちり受信できていました。内容もすべて了解しておりました。

リモートの件、米国では、従量制の課金をする局がいくつもできているようです。よく交信するN8AIは、近々家を売り払い、リタイアした人々のコミュニティに入るようで、そうするとアンテナがたてられず、そうしたコマーシャルのリモート局を利用することを考えているようです。

自分の設備をリモートコントロールする場合、大きな問題は雷撃の問題ではないでしょうか、それに仰られるリグの故障でコントロール不能になる事態。こうしたことも、技術的にいろいろと検討されている様子です。

私が、そうしたリモートを使わざるを得ない状況になったら・・・無線をきっぱり辞めますかね・・・。その時になってみないとわかりませんが。これまでも繰り返し記してきましたが、過去10年間のアマチュア無線、とくにCW界の変貌を眺めていると、この先10年間で少なくともCWを用いた交信は激減するように予測しています。この予測が当たらなければよいのですが・・・。リモートコントロールでの運用が一般的になる前に、相手を見つけるのが困難になる時代が来そうに思っています。

長々と返事以外のことを記してしまいました。CW界の最後の光芒ということになるのかどうか、できる範囲で楽しんでまいりましょう。ノイズ源が特定できて、対策が講じることができるとよいですね。

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