TPPは誰のためか? 

TPPの全29条のうち、関税に関する項目は5条のみ、他は非関税障壁に関する事項である。TPPの本体は、後者であり、それはISD条項、ラチェット条項によって実現される、ということだ。

非関税障壁の基準は、米国の規制のない(少ない)状態である。医療でいえば、公的な国民皆保険はグローバル保険企業が、我が国に進出する大きな非関税障壁になる。医療保険の分野はTPPの例外という建前のようだが、TPPが発効してから、非関税障壁として、公的保険が訴えられる可能性は極めて高い。また、米国のその多くが本拠地を置く、グローバル製薬企業は、中医協のような組織が薬価を公定価格として決めていることをやはり非関税障壁として訴える可能性が高い。

日本の医療保険は、すでにほとんどすべてが米国の巨大保険資本に握られている。これは、過去の日米構造改革協議で決められてきたことだ。アフ○ックや、何やら、愛すべき広告を彼らはマスコミに流しているが、内実は違う。我が国の国民の資産をいかにして取り上げるか、ということだけを彼らは考えている。すでに外堀は埋めらている。公的な医療保険の支払いが少なくなれば、財務省にとっても願ったりである。この先、財政再建の主項目は、社会保障の合理化(という名の削減)であることは、財務官僚、そのお先棒を担ぐ各有識者会議が繰り返し述べている。

我が国の政府は、混合診療をTPPによって進めることはないと国民に約束してきた。だが、ISD条項により、日本政府が、グローバル資本に訴えられれば、混合診療を大幅に取り入れる以外に選択肢はない。さらに、その規制緩和は、後になって規制しなおすことは許されない。それがラチェット条項だ。混合診療推進そのものを合意されたTPPの各論に記さなかったので、政府には責任がない、というのが彼らの逃げ口上になることだろう。

こちらのサイトが、TPPによって生じる社会的な構造変化をよく記している。こちら。一読を強くお勧めする。


コメント

昨夜BSのプライムニュースで甘利大臣がTPPについて言っていましたが、例によっていい面ばかりで、最後の方で国民皆保険は問題ないと一言言っていたので思わず笑ってしまいました。調べていくとアメリカの巨大資本(それも各分野に存在する医薬はじめとするアメリカ政府を牛耳っている)のためのTPPであることがはっきりしています。しかし、非関税措置がキーポイントであるにもかかわらずニュースは輸入食料品が安くなるなどばかりで肝心なことは全く報道しないのはなぜでしょうか? もしTPPが発効したら数年で各分野で大変なことになると思います。

韓国でも、短期の観察では、米韓FTA締結に一致してGDPが増えたそうです。確実にもうかる連中、グローバル企業や、輸出業の経営陣は、FTAや、TPPを何としても促進したいようですね。しかし、その副作用はあまりに大きい、というか国が独立国として存在しえなくなります。グローバル資本によって国の形を決められることになるわけです。マスコミは、そうした「持てる層」の一部ですから、TPPの本当の問題を報じないのでしょうね。

これから医療介護の世話にならざるをえない、我々の世代にとっては、本当に大きな脅威ですね。ちょっとした入院が必要な病気にかかると、それだけで数百万円の自己負担が生じる、または常々高額の民間医療保険に入る必要が出てくるわけですから。

そうしたことをマスコミは報じないし、政府もだんまりを決め込んでいる。足を踏み出したら、後戻りができないわけですが、ね。

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