介護離職ゼロのマヤカシ 

安倍政権の新三本の矢の一つ、介護離職ゼロを耳にしたときに、介護職の方の離職をゼロにするのかと、最初思った。介護職の離職は、それほどまでに深刻な問題になっている。だが、そんなことは決してなく、具体策として政府が何を打ち出したかと思いきや、特別養護老人ホームを増設する、というのである。

特養を増設するとなると、そうでなくても人手不足の介護に、さらに大きな負担をかけることになる。人手不足がより深刻になるからだ。

これまでさんざん言われてきたことだが、介護職の給与が低すぎる。全産業の平均給与が約32万に対して、介護職の平均給与は21万円台である。この大きな理由は、介護の診療報酬が低いことにある。今年4月の介護診療報酬改訂で、安倍政権は2.27%の引き下げを行った政権として、介護職の待遇改善など全く考えていない、ということだ。

介護離職ゼロという新たな方針は、真面目に出したものであれば、一つには建設業界による箱もの建設を促し、同業界に利益をもたらそうということだろう。もう一つは、低収入の非正規雇用を推し進めていることにより、介護職の給与が相対的に「良くなる」のを待っているのだろう。介護職の待遇を改善しようという意図は全くない。むしろ国庫からの介護への予算を削減することを考えているわけだ。

一億総活躍社会といい、そもそも三本の矢のもう一つ、子育て支援にしても、結局、労働力を確保したいという意図が背景にあるのではないのか。国民の幸せを目的とするなどというのはお添え物、見せかけだけに過ぎない。介護離職ゼロも、関連業界への利益誘導と、今のままの低待遇で働く介護職を逆トリクルダウンで確保し、最終的には国民を離職させぬようにしようということなのではなかろうか。

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